アルトネリコ

アルトネリコ」はとりあえず、オリカENDとシュレリアENDをクリアし(シュレリアは実に良いツンデレですね)、今はミシャ編をプレイしています。とりあえずBGMは一通り聴けたし、そろそろいいかなと思ったので音楽を揃えてみました。

ときに無機質で、ときに古雅、飄然とリリカルなコーラス(多重音声)の七色多感性を基調に、民族音楽と現代的なビート感を野生的に注ぎ込んだ旺盛な無国籍風サントラ楽曲は、どれもとても印象的で、ゲームのサントラについてここまで惚れこんだのはずいぶん久しぶりな気がします。音楽が遠慮せず世界を活き活き形作っているところが、実に好ましい。
人の歌は何を置いても鮮やかで、「今ゲームをプレイしている自分」感覚をまざまざと意識させてくれますね。共感。僕はシンセを奏でることはできないけれど歌は歌えるぞみたいな。そういう意味で、BGMに声楽曲を使ってくるのはひどくゲーム的で、卑怯ともいえます。歌という時点でBGMで済ませられないのだから。
ゲーム本編フィールドのBGMは、戦闘が勃発しても音楽が巻き戻らないんですよ(戦闘終了後は続きから流れる)。だから意識せずとも音楽を全部聴くことができる仕様は、個人的にけっこう嬉しい。それもあってかフィールド音楽が好きになりやすいし、続きを聴くために戦闘を早く終わらせようという気持ちが、戦闘パート自体に締まりを与えてもいます。
「朝霞溶けて」「傷跡」「Brave Beat」「魔界・オリカ城」「Screaming Seagull」「Psycho Dive」「鼓動〜エレミアアレンジ〜」「ささやき」などが特に好きですねぇ。ラップ風の戦闘曲系もイイです。もちろんエンディング曲「ファンタズマゴリア」は別格扱いで。
「月奏~ツキカナデ」-Ar tonelico hymmnos concert Side紅-

「月奏~ツキカナデ」-Ar tonelico hymmnos concert Side紅-

霜月はるかの純真であたたかいボーカルと、クラシカルで所帯じみた多重音声をリズミカルに配した民族音楽風。かと思えばウッドベースに、純和風・レゲエ風などなんでもありのかわいらしい貪欲さは、好き嫌いがはっきり分かれてしまうものの、音楽に対する前のめりのクリエイティブがいっそ清々しい。曲によって異なる霜月はるかの味わいの違いを聞き比べてみるのも楽しい。とはいえ、やはり「EXEC_RE=NATION」が一番好きになってしまうのはやむをえないところです。
「星詠~ホシヨミ」-Ar tonelico hymmnos concert Side 蒼-

「星詠~ホシヨミ」-Ar tonelico hymmnos concert Side 蒼-

これは、神。ぶっちゃけ、降臨してます。「EXEC_CHRONICLE_KEY」「EXEC_HARMONIUS」など、今般クリスマスシーズンで教会コンサートの演目にちょろっと追加して欲しいくらい、風格ある宗教ミサ曲風。ゲーム音楽で本格的に感動させられたのは、Virkato Wakhmaninov(笑)の「ピアノ協奏曲第1番”蠍火”」以来といったところか。
本来の宗教曲と違い、ゲームの宗教曲(風情)は、ゲーム(及び世界)という神と、プレイヤーに媚びるために作曲されたものであるだけに、まかり間違えると敬虔というよりも耽溺してしまいかねない危険性があります。何せ信仰対象が露骨過ぎて、信仰内容がキャッチー過ぎるんですもの。意図するところの浅薄さに興ざめしてしまう部分は、ご愛嬌でフォロー。
劇中クレアが歌う「York of love」「そよかぜのうた」に「そよ風の思い出」(「そよかぜのうた」のオルゴールバージョン)も収録。「そよかぜのうた」は文句なく名曲ですね。まさに「真面目に感動した」(クルシェ)。