Prismaticallization(プリズマティカリゼーション)とは


 初出はプレイステーション版(1999/10/28発売)。2000/08/24にはドリームキャストにも移植される。PS版制作発表時の仮称は「Prism」。
 「ギャルゲーであってギャルゲーでない」その特異な作品性にも関わらず、当時よりのギャルゲー専門誌「電撃G'sマガジン」で連号大プッシュされ、ギャルゲー従来のセールス方法と実際の作品との食い違いから、発売直後から多くのギャルゲーマーたちの批判を浴びた。もしくは、この作品のキャラクターデザインである森藤卓弥氏(現:射尾卓弥)が、自身の運営していた個人web掲示板にて作品批判の矢面に立たされ、その際に為した”過激な”反論も、作品批判の火に油を注ぐ結果となり、いつしか批判を通り越して非難となり、ネット上で見る限りそれはまるで親の敵にでも会ったかのようにヒートアップ、当時よりのファンとしては痛ましいまで記憶の奥底に刻まれている。
 しかし、アドベンチャーゲームにおける神器のひとつ、「選択肢」というものをことごとく廃止し、主人公の「記憶」をプレイヤーが取捨選択し、まるで「記憶」というパズルを組み合わせてストーリー、もしくはシステムを解き進め、解き明かしていくというような感覚、アドベンチャーゲームにおけるより能動的なゲームプレイを模索した、実験的で先駆的なゲームデザイン、複雑・難解を極めたシステムとストーリーは、作品として非常に統一され完成された論理性と構造美を誇り、ヒロインに対する”萌え”という感情をも作品を構成する一概念として取り込もうとする野心的なまでの”あざとさ”すら感じさせる、異端ではあるものの隔世的・天才肌のギャルゲー作品として正当に評価されるべきとの声は今も根強い。……はず。たぶん。

ゲーム関連商品

[ビジュアルファンブック] 電撃G's PREMIUM Vol.2 プリズマティカリゼーション ビジュアル&完全攻略オフィシャルコレクターズブック(メディアワークス発行/定価1500円 [ISBN4-8402-1410-7])

ゲーム中で見られる全グラフィックを網羅し、設定資料・綴じ込みポスターまでついて、「この本さえあればゲームをプレイする必要がないわっ!」と各所で大絶賛のこのシリーズ。そのプリズマ編。必要がないどころかプレイする意欲自体ないギャルゲーマーたちがこぞって買っていったらしいが。現在でも入手できるかどうかは不明。amazonでは在庫切れ。

[サントラCD] プリズマティカリゼーション ヴォーカル&BGM集(バンダイ・ミュージックエンタテインメント/定価2500円 [APCN-5155])

Water Clockの歌うOP/EDソングと、劇中BGM、アレンジ・ヴァージョン数曲を収録したサントラCD。1999/12/18発売。ピクチャーDiscには「とっぴんぱらりのぶぅ!」魔女っ娘コスプレ雪乃が印刷され、CDを外すとそこには澄香のEDグラフィック。ライナーノーツはブックレットといっていいほどに30数ページの厚み、その全てがプリズマのグラフィックで埋め尽くされているという(しかも各キャラ1枚ずつ書き下ろし有り!)。作曲家のメッセージやプロデューサーのありがたいお言葉すら書かれていないライナーとは、ある意味潔いまでのギャルゲーサントラっぷり。しかしその潔さっぷり故か、「たまごっ○」の引き際を見誤った親会社の経営整理の矛先となりあえなく清算。レーベル消滅という事態に至り、このCD入手は現在ではほぼ絶望的と思われる。温かみある音楽も評判良かったんだけどね。

[ボーカルCD] Prismaticallization Water Clock(Image Team[インディーズ]/定価2400円 [IMT-0201])

ゲームのOP/EDを歌ったWater Clockによるプリズマボーカル曲集。OP/EDのオリジナルにアレンジヴァージョン、劇中曲のボーカルヴァージョンや劇中曲のアレンジヴァージョン等。Water Clock色を前面に押し出した、プリズマ・メモリアル的音楽とでもいうべきか。個人的にはゲームのタイトル・オルゴール曲「夢」のフル・ヴァージョンがとても嬉しかった。とても好きな曲なので。2002年夏のコミケで先行販売され、後に一般発売されたとのこと。一時はアークシステムワークス直営の通販webで購入可能(澄香のバッジ付き!)だったものの、今ではこちらやこちらで購入可能な模様。