あとがき

 そうしてよくよく真面目に考えるに、恋愛をすることと、付き合うということのあいだに、”なにか”特別な事情があるのが中学生というものなのでしょうか。ヒロインが主人公の「付き合ってください」という告白を、自分も好きなのに敢えて断った、その心理的意味というものに多少興味が残ったのが、作品としてはせめてもの救いでしょうか。「好きです」だけではなく「付き合って」言わせたことがここでは大きい。高校受験の成功ということがヒロインなり主人公のアイデンティティー確立に大きな影響を与える、つまり自分の選択と努力によって獲得した初めての”社会”であり、”将来へ向けての一歩”であり、初めて負う事になる”責任”の重みであり、卒業式、その出来たての責任で主人公との交際をスタートさせることを決意した・・・。そういった人間的成長の真っ只中における男女の恋愛模様をシミュレートしようとしたのが本作「トゥルーラブストーリー3」だとしたら、ある意味すごいことだと思います。まあ、きっとそこまで深く考えているんだったら、主人公からの告白を断ったヒロインが、告白時・それから卒業式までの間いったい何を考えていたのかについてのイベントを挿し挟んでいたでしょうし・・・。気が向いたらこのネタでSSでも書いてみますかね。先の僕の気持ちもいつか自己完結させたいですし。