プラスチックスマイル

TVアニメ「Canvas2~虹色のスケッチ~」オープニングテーマ ~プラスチックスマイル
メロのゆるやかな静けさからサビのボリュームある爽快な圧倒感、その対比・盛り上がりがなんともいえない等身大×1.5倍の純情青春ドラマチックサウンド。ハスキーがかったボーカルの聴きごたえあるその声触り、滋味豊かな味わいが、クールさだけではなくその芯に妙なる可憐さ・純真さを際立て、強く印象づけます。
そういえばこのボーカルは、舐めると上顎がざらついて、のどが渇いてしまって仕方がなくなるくらい、とっても甘い、ニッキ飴のようだと思いついたのです。懐かしい、よくお祖母ちゃん家で舐めたものです。あの味を、思い出しました。
当今流行ギャルゲーポップの無闇に媚びる風情とはナチュラルに画するラフで個性的なボーカルは、かえってひどく僕にヒロイン憧憬を沸き立たせ、それはまるで、木立を透る風やくたびれた排気ガスさえも混ざったごく当たり前の空気の中で、それでも繊細で乙女チックな詩情をかいがいしく描き出そうとしているような、同軸線上のプラトニックを抱かせるのです。

すべてのものを白く塗りつぶせるのなら
新しいキャンパスにもう一度
初めから描くことができるのに

思い出の中でたくさん、そして濃く描きこまれてきた鮮やかな色合いや温かな筆遣いを消してしまうのではなく、その上から白く塗りつぶして(失くしてしまわないまま)、思い通りの新しくて幸せな自分の姿と大切な人との関係を描き出すことができたら、本当いいのになあ。

乾いたままで好きな色も出せないような

思春期抒情の色彩豊かな「プラスチックスマイル」の歌詞ですが、アニメ「CANVAS2〜虹色のスケッチ〜」の内容と密接に繋がっているので、読んでいるとなんだか物思いに耽ってしまうものがありますね。