美しいしぐさの一例として、片山さんはモノをつかむ時の手の動きを挙げる。単にぞんざいにつかむのではなく「相手から引き寄せられるように近づけ、取りに行く」のだ。目の前にあるものを自分と対等にみる。そのような意識が美しいしぐさにつながるのでは、と言う。

「どんな時でも人生には意味がある」

つかのまの生、その時々の自分というものに意味を見出そうとする断続的な思惟そのものが、全き人生、綿々と連なる自分というものの内に歴然として輝く"本旨"を組み上げていくのだと、信じたい。