ガン×ソードO.S.T

音楽は中川幸太郎さん。
良くも悪くも突き抜けた「男っぽさ」200%、単刀直入にハイテンションなサウンドは、調子っぱずれのアグレッシブさで周りの迷惑顧みず炸裂していきます。「スクライド」の音楽でみせた豪快でスピーディなブラスに、フィーチャーされた和太鼓が揺るぎない漢のリズムを魂に刻みつけ、エレキが燻銀にいななき、ストリングスが不穏ににうねる。やさぐれた男声に艶やかな女声コーラスが肉感たっぷりに、「ガン×ソード」のO.S.Tはまさしく「濃ゆい男のための」サウンドという他ないでしょう。
ただ何も考えずに男の美学(ビート)に身を委ねていたいM5「Tremendous Blade」M7「Your Bride」M14「Nackle, Clench, Fist」M15「One Night Stand」。うって変わってシリアスな弦の由々しき雰囲気が際立つM9「Unknown World」M10「Lost Native Village」。ストリングスと和太鼓、男声コーラスの緊迫感ある競演が鳥肌モノのM13「Frozen Arm」あたりがまずオススメ。
ただれた男声コーラスがやけにそそられるM3「Desert Rose」や、サスペンス気取りのサウンドがどこか滑稽なM4「The Day is Done」、熱血オヤジの拍子抜けっぷりが笑えるM17「El Dorado 5」なども聞き所だが、なんといってもhitomiのangelic wisper voiceが奏じる清らかでつぶらな旋律が途方もなく救世的なM6「Paradiso」(歌:hitomi)、この美しいfull sizeは抜き差しなりません。しつこく繰り返され途切れるストリングスの上昇音形、そのあがきに飛沫を打ちつける音象が異様に鬼気迫るM20「He Reduces to memories」も強烈。
もちろんOP「Gun×Sword」はTV Sizeで収録。これを聴かずして何が「ガンソード」か、ということで省略。いやはや、この圧倒的なボリュームのくせしてO.S.T.2があるだなんて、まじで信じられない。