あしあとリズム

あしあとリズム ~Haruka Shimotsuki works best~

あしあとリズム ~Haruka Shimotsuki works best~

霜月はるかさんのベストアルバム。
親しみのもてる朴訥さ、温かみのある晴れやかな声音を聴いていると、不思議と前向きな気持ちになります。個性の色調濃い作品その主題歌として、ごく自然にしなやかと成りこんでいけるのは、そもそもファンタジーを創出するのも、物語を読み解くのも、つまり前を向いて進めていくことなしには始まらないから。
主題をありのまま伝えて居心地の良い、根の明るく気質のピュアなボーカル。
ときに少女、女の子、そして乙女。歌を通してさまざまなヒロインを演じ、成長過程を往来してきた、そんな彼女自身が編んだ歴史年表のようなこのアルバムは、とても魅力的なキャラクターソングベストなのではないのかなと思ったりもするのです。
恋愛の秘められた機微、あるいは無邪気なポジティブさが甘く煌めくM2「夏の羽音」M7「空夢」M9「光の地図」、恋愛ゲーム主題歌然とした楽曲は耳に馴染むなぁ。笛や琴、太鼓などを取り入れた和風サウンドと、物悲しい旋律が印象深いM10「遠い伝承歌」。
楽曲としてある以上に明媚なファンタジーであり、朗らかな物語、M6「希望の羽」M11「あしあとリズム」。聴くように読む。僕にとってはこれこそが霜月はるかさんの音楽なのです。という思い改にす。