眼鏡の壊れた箱根旅行

この14日から15日は、母親と箱根に1泊2日の旅行へ行ってました。自称親孝行旅行。BGMは徳永英明のベストアルバム。どうして親という生きものは、息子が機嫌の良いときの発言ばかりしっかりと覚えていやがるのでしょう。自分がかつて息子にどんな発言をしてきたかはきれいさっぱり忘れているくせに。まぁそれは今さらいいんですが……。
楽天トラベルを使って湯本駅近くの旅館に予約を取り、車で行って参りました。夕・朝食とも部屋出しということで、食事自体まぁまぁでしたしお酒を準備して行って、夕餉をつまみにじゃんじゃん宴会騒ぎできたのが何より良かったですね。本当は持ち込み禁止らしかったのですが……。
というか、この時期は大学生の卒業旅行真っ盛りということで、「お風呂が若い子ばかりで騒がしかったわよ」と不機嫌だった母親の影で、「あ、あぁ、そうなんだ……」と妄想を逞しくしていたのはお約束。確かに男湯の方にも男子学生と思しき男性が結構いましたけどね。もちろん眼鏡は掛けずに入りましたよ、無意味に劣等感割り増せることありませんものね(トホホ……)。
湯元駅近くに泊まったので、そんなに観光するところもないかなと思っていたけれど、事前に調べてみたらいくつか面白そうな施設がありますね。今回は箱根ベゴニア園オルゴールの小さな博物館箱根分館箱根ガラスの森美術館に行ってきました。

ベゴニア園は、ビニールハウス風の建物に大柄で色とりどりのベゴニアが所狭しと咲き乱れ、内部に充満した濃密で甘美な匂いは筆舌に尽くしがたいものがありました。卒業式の飾り付けをそのままリアルフラワー化したようなその豊満で原色のあでやかさは、ただひれ伏すしかないような圧倒的な存在感。実際酔えますね。
併設されていた美術館では有名作家による押し花の展示、体験もできるみたいでした。絵葉書を母親が買ったのですが、僕はそれを見てはたと気づかされました。ギャルゲーのヒロインって要するに"ブーケ"なんですね。
同じ高台に位置していた、この3月一杯で閉館してしまうオルゴールの小さな博物館箱根分館にも寄ってみました。10分おきに館員の方が20分程度のオルゴール演奏・解説を行ってくれて、とても興味深かったです。シリンダー方式の繊細な演奏、ディスク方式の豪勢な演奏。中にはピアノの自動演奏、手巻きのアコーディオン、シンバルや木琴も加わったオルゴールとは思えない壮大な演奏など、オルゴールのイメージを払拭するものがありましたね。
2日目に行ったガラスの森美術館は、なんといっても施設内に林立する煌びやかなツリーが秀美でしたねえ。事前にwebで見たとき、夜間のライトアップでこんなにも綺麗なんだろうと思いこんでいただけに、白昼にもかかわらず堂々燦然としている姿に度肝を抜かれてしまいました。枝に無数と括りつけられた小さなガラスが日の光を反射してキラキラしているんですね。名にし負うガラスの森。
ヴェネチアの庭園を模した敷地内に設置された美術館では、豪奢なヴェネチアン・グラスやエレガントな鏡、オリエンタルな出土品から現代作家によるガラス芸術などがたくさん配置されていて、下手すると一日中見ていても飽きないかも。僕は「月の魚」と題された作品が印象に残りました。入場料もお土産品もちょっと高いけれど、いい美術公園ですね。
それにしても。今度の旅行で眼鏡を壊してしまってその買い替え費用が、宿泊費より高くついてしまったというのは全く間抜けな話だなあ。まぁ、ずいぶん長く使っていたし視力も落ちてきている感じがしたので、そのうち買い換えなきゃならないかなと思っていたけれど。よもや、お酒飲んで小一時間ぶっ倒れて目が覚めたついでに温泉入って浸かりすぎて立ち眩みして気が付いたら床に倒れてて眼鏡が外れてて(「露店で星空が見たかった」というトンチキな理由で眼鏡掛けて入ってた)見つけたらフレーム壊れてレンズ傷入りとは、ね……。
「飲酒直後のご入浴はご遠慮ください」
「深夜の1人でのご入浴はご遠慮ください」
いやぁ、入浴上の注意書きはきちんと守らなくちゃいけませんねははは、下手すると命取りですからねははは、ロリコンとはいえ女子大生だらけの入浴大会というのは羨ましい限りですねははは。