星界の戦旗〈4〉軋む時空

星界の戦旗〈4〉軋む時空 (ハヤカワ文庫JA)

星界の戦旗〈4〉軋む時空 (ハヤカワ文庫JA)

人気があるシリーズだけれど、果たして面白いんだろうか。そういう晴れ晴れとしない疑念にますます苛まれていく「星界の戦旗」の続巻。確かに、ジントとラフィール、ほとんど恋人同士なのにどこか素っ気ない定石の文学的やりとり、静かで品のある「いつもの感じ」を手堅く演出しておいてとっておき的に顔を覗かせる、恋愛的な情緒にニヤニヤしてしまうそういう楽しみは満喫できたけれども。〈3〉は物語的に大して盛り上がることなく見所もなく、〈4〉は狭隘な世間で予定調和的だし且つご都合主義的(星界軍の分艦隊司令官はアトスリュアしかいないのかと)。だらだらと続いてるとまでは言わないけれども、ずるずると続いているというか、物語は二の次で星界(アーヴ)的なモノ<設定>を延伸しているだけという気がします。
きっとアニメのほうは面白いんでしょうね。改めてこのシリーズは小説よりも映像のほうが映える素材だと思うわけですよ。時空分離とか平面宇宙とか、一度映像で見てしまうとテキストが薄っぺらく感じられてしまっていけねぇや。