「死んでも良かった…」

 29日のコミケはこの一言に尽きました…。夜勤終えて一息ついた後有明に向け出発、現地に11時過ぎに到着して、まずVisualArt'sのブースを目指したのがそもそもの間違いだった。西館4Fにある企業ブースの列の最後尾を、なだらかなスロープを1階まで降り切ってさらにその奥に見つけた時点で間違いに気づくべきだった。初雪に見舞われ、激しい寒風の吹きすさぶ中、2時間、ニジカン、にじかん………12時3分に並び始めてVisualArt'sのブースに辿り着けたのが2時過ぎ、ジャスト2時間並びましたか…。もうね、絶対アホ。死んでも良かった、というか倒れなかったのが不思議。面倒だったので手袋持ってこなかったばかりに手がかじかみまくって、ブースでグッズ買うときに札出すの苦労しましたよ…。

 2時過ぎにやっと暖房の効いた室内に入れたけれど、しかし体の芯まで凍ってしまってたため何もやる気が起きず、同人誌も、買う予定だった2005年のカレンダーもなにもないような状態で、カタログもなく途方にくれながら東館を彷徨っていたら(あ、なぜかPATOTOというサークルの「AIR」本だけ買ってました)、不破さんから連絡があって、合流。そろそろ帰ろうかということになって、予め帰りの切符を買っていたものだからりんかい線国際展示場駅に行ったら、信号機の故障だとかで大行列、もうね、とことんついてない。

 やむなく人が掃けるまでビッグサイト内の茶店で駄弁っていたら企業ブース終了時刻30分前、せっかくだからと2人で企業ブースを回ってみて、はてさてVisualArt'sのブースはどうなったかな、と覗いてみたら、列は完全になくなってて、しかも僕が今日主目的にしてた「CLANNAD」のCDはちゃっかり売れ残ってやがりました。不破さんってばさわやかな笑顔とともにサクっとCDを購入。ちょっぴり不破さんに殺意を覚えた瞬間でした。まぁ「planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜」のグッズは売り切れてて買えなかったとはいえ、それだって本当は僕に買う予定はなくて、あの寒さの中震えながら2時間も待たされて「CLANNAD」のCDしか買わないってのはいくらなんでも悔しすぎる、という「タダでは転ばない」根性で土壇場に購入を決意したくらいだもんなあ。今日という負け戦に一矢報いたことになるのやら…。

 毎年の夏と冬、有明で過酷な気象条件に耐え抜き、果敢に物欲を満たしつつ今生を謳歌しているニッポンのオタクたちは、きっと自分たちの知らぬ間に、心身相抱く強靭なバイタリティを育んでいってるに違いない。家に戻りしもやけで充血している手を見つめながら僕は、そんなことを考えるのだった。