動物実験のトラウマ

 ウチで飼っている猫が数ヶ月前から様子がおかしく、後ろ足の脛と下腹部を狂ったように舐め始め、気づいたときには見事に毛が抜けてしまっていたんです。サーモンピンクな剥き出しの肌があまりに痛々しいという母親に連れられて、昨日動物病院に連れていきました。そうしたら獣医さんは、心因性のものではないかと言うんです。いろいろ考え合った結果、猫の舐め始めた時期が、妹が嫁に行く前後と一致していることが判明。マジかよ!妹が嫁に行ったショックではげたというのかよ!しょっちゅう蹴り飛ばしたりしてた妹がかよ!
 いやまあ、妹の部屋のベッドが猫のお気に入りの寝床で、妹が家を出て行くに伴い部屋を整理したときにそのベッドを片付けた、わけじゃないけど布団は敷かなくなりますわな、当然。結果的にお気に入りの寝床がなくなってしまったことが、今回の猫の奇行の原因なのではないかと。
 しかし「家族でカバーしてあげてください」と言われてもねぇ。ウチの猫、僕の布団じゃ決して寝ないしなぁ…。
 そう、あれは僕がまだ若くて乳房に張りがあってピチピチしてた頃の話。きたるべき将来に備え、部屋に招き入れたすごい年下の彼女をベッドに押し倒すシミュレーションを実施するのに、ウチの猫を使ったことがありまして。そのときのトラウマか、動物本能的な危機回避プログラムかなにかなのか、ウチの猫ときたら、僕と一緒に寝ることに対して相当警戒しておるんですわ。僕の部屋のベッド自体はそれほど嫌いではないのか、たまーにそこで寝ていたりするんですが、さて僕も寝ようかと寝間着に着替えようとした途端、ハッと起きだしてサッと逃げていく徹底ぶり。
 いやあ、これが条件付けってヤツなんですかねぇ。すごいですねぇ。ビックリですねぇ。もちろん、すごい年下の彼女をベッドに押し倒すシミュレーションだなんて嘘八百ですよ?当たり前じゃないですか、いやだなぁあはははは…。
 そうそう。この動物病院の獣医さんがフジ子・ヘミングにクリソツのおばちゃんでした。母親は清水ミチコにソックリだと言っていました。つまりフジ子・ヘミング清水ミチコを足して2で割った感じの獣医さんってことですね。んーなるほど。