I've Girls Compilation 04 「LAMENT」- 05「OUT FLOW」


 どうして僕らは、I'veのGirls Songにこうも惹かれてしまうのかなぁと考えてみたら、それは、決して手の届かない美しいものを追い求めて止まない僕らの心情をキレイに映し出している音楽であるからなのかなあ、という風になりました。
 僕らはギャルゲーを買います。商品としてソフトウェアとして僕らはそれを所有することができるけれど、しかしそれは決して得られない。ディスプレイに描かれる2次元世界と、ヒロインたちとその物語は、物凄く僕らの近いところにあって、僕ら自身も近づきたいと切望するけれども、近づこうとすればするほど、その距離が途方もないということに気づかされる、徹底的に近くて、決定的に遠い距離。
 そんな僕らのギャルゲーとその美しいものとのもどかしい距離感を、ピュアにシャープに切り出した音楽が、I've Girls Songの真髄なのかもしれません。独特の浮遊した空気のほわほわと宙を漂っている、尽きせぬ憧憬、ときめく郷愁、あるいは透徹する恋情。それらの美しいものを、ああ、なんて僕らが欲するそれらの愛を、心強く清清しく断定してくれる、「それはとても素晴らしいものだよ」と肯定してくれる真摯な音楽的態度が、僕らの純情な共感を呼び起こして止まないのです。
 止まないからこそ、止まる事を知らない愛があるからこそ、僕らはI'veのGirls Songを、貪欲に、まさに食らうように聴き尽くしたいのです。もっと聴きたい。「魔法はあめいろ?」の「Do you know the magic?」とか!あーもう、じゃんじゃんCompilation CD発売してよねっ、もどかしいったらありゃしない。