まんがタイムきららMAX 8月号

 まんがタイムきららMAXを扱っていたはずの近所の書店併設コンビニが、なぜか最新号を置いてなくて、やむなく車でちょい遠くの大型書店まで出かけてしまいました。そこまでして…?
 ここの日記にも以前書いたけど、実は最初に買ったときは全然面白くないなと思っていたのに(それはまんがタイムきららキャラットと比べてという意味で)、いきなり色紙貰って、その恩返し的に読み続けていたら、お気に入りの作品がちらほらとできてしまって。今ではひそかに雑誌の発売自体を楽しみにしていたりします(表紙がずっと門井亜矢なのは嫌だな〜と思うけど)。
 餌付けされちゃったのかな〜。けれど、ためしに「もえよん」を買って読んでみると、そのクオリティの差は歴然としていることに気づかされたりもします。(もえよんは次号で休刊らしい……)
 ただ、「もえよん」に作品が掲載されているなかま亜咲さんや濱元隆輔さんは、きららキャラット系列誌でも連載をもってて、どちらもキャラット系列誌に連載しているほうが面白いと僕は思ったので、クオリティ云々というより、雑誌のブランドイメージも影響しているのかもしれません。
 萌える小学四年生略してもえよん、タイトル的にはめちゃ破壊力あるんだけどなぁ(個人的に)。え?もえよんは萌える小学四年生の略じゃないって?そ、そんなバカな!そ、それじゃあ萌える幼稚園女児略してもえよん!?
 で、まんがタイムきららMAXの話。「兄妹はじめました!」が妙にお気に入り度を高めている今日この頃でございます。なんか、いいんですよね。
 設定的にそれは明らかなのに、妹萌え萌え〜とか、お兄ちゃん好き好き〜といったあからさまな感情を、兄→妹についてはほどほどに、妹→兄についてはほとんど抑えられたうえで成り立っている、間の抜けたような平板な日常が。薄く張り伸ばされた萌え。うっすらとしたほころびのように、時折見え隠れする想い。まぁ、実際はそんな大したものじゃないんですけどね〜。
 上手いんだか下手なんだか良くわかんない絵なのにけっこうかわいいかも、と思えるようになってる時点で「あばたもえくぼ」状態かも。
 「看板娘はさしおさえ」は、まず(全体的な起承転結という意味での)お話として完成度がとても高くて、笑いも手堅いし、なにより各キャラの役どころがどっしりしていて安心して楽しめるのがうれしいなぁ。特に今回のお話は、ふだん影の薄い質屋店主の父親の"いい奴っぷり"が良かったですね。
 以前何かのニュース番組で、質屋を訪れるお客さんに焦点を当てた特集を見たことがあって、それを思い出したんです。
 一人の女性が貴金属を何個か持って質屋に来ます。
 「買い取り希望額はいかほどですか?」「10万円くらい欲しいですね」「うーん、7万円しか出せませんねー」「……はい、それでいいです」。
 店を去る彼女にテレビが追いかけて聞きます、「そのお金をどうするんですか?」。するとその女性は、「新潟の地震で被災した友人に送ろうと思いまして……」。
 「言ってくれれば出したのに……」、その話を後に聞いた質屋店主のオヤジが、俯きながら何度もそう呟くシーンが、すごく印象に残りました。
 最近は気軽に利用できる明るいイメージの質屋も多いみたいだけど、それでもやっぱり本質的には、何かしら特殊で困窮した事情を抱えた人が訪れる場所だろうし。こんなご時世じゃ、中途半端に情や善意の厚い人がやるには辛い商売だなぁと思ったものでした。