三者三葉

三者三葉 (2) (まんがタイムKRコミックス)

三者三葉 (2) (まんがタイムKRコミックス)

まんがタイムきららキャラットを初めて買ったときに、一番最初に「面白いな」と思ったのが、この「三者三葉」という作品でした。
なんていうんだろう、登場人物はみんな個性的なんだけど、それを前面に押し出した派手さはなくて、あくまで女の子たちの普通の学園生活における、平凡で他愛のない日常の中で描かれている、地味でしなやかなおかしみ。
人格が壊れたようなキャラクターが醸す作為的で常識外の雰囲気や、漫才師も顔負けの一流テクニックを駆使した笑いではなくて(それはそれで破壊力抜群なのだけれど)、かといってエロやフェティシズムを煽るようなけれんみもなく、身の丈にあったやりとりとその中での気取らない笑い、とぼけた切り返しが、キャラクター自体の愛らしさと親しみやすさをほんのりと温め、それがそのまま作品の居心地の良い空気感となって漂ってきます。
4コマ目のツッコミがそれ自体ボケ要素を含んでいたりするわけですから、和みと笑いの継ぎ目がない"開放的な普段"のなか、本当の意味でのツッコミ役は読者しかいないのですよ。
元お嬢様、腹黒い動物好き、大食漢の元気娘。それぞれすごく変わっているのに、毒もあるのに、それがどうしてかごく普通のクラスメイトとして、教室の中でも特別目立ってはいないだろうということに確信がもてる、意外と恰幅のいい日常感覚の中で、純粋に染みだしてくる、角が丸くてやわらかい"女の子らしい"手触りのよい可笑しさが、「三者三葉」という作品の味わいなのかなと、僕は好ましくもそう思っています。
単行本を読んで思ったこと。この漫画が始まった当初は、葉子様の清貧ネタをメインにしていたというのは意外でした。あと山路が普通の(?)人間というのも意外、召還獣だとかいうから人間の姿をした魔物なのかと思ってたんですよ。
好きなキャラはなんといっても腹黒い照ちゃんですねえ。山路も健気で好きですね。というかこの漫画の登場人物を僕ハーレム配置図上で考えてみると、小田切双葉は腐れ縁のガールフレンド、西川葉子はハイソな恋人、葉山光と結婚し(ただし食事は小田切双葉に作ってもらう)、葉山照と同居しながら葉山動物王国建設計画を練るというのが、正解でしょう。
か?