C68私的総括《同人ゲーム》

Amusement Makers*「未来の描き方」(体験版)[同人ゲーム] http://am-tdu.s10.xrea.com/c/c68.htm

2003年から製作してて、いまだにコレかよ…。
まず、シーン間の繋ぎ目がおざなりで、「いきなり放課後」「いきなり翌朝」とかいう展開が落ち着かないし、会話主体でモノローグ(描写)が少ない、効果音やサウンド的演出が乏しいのもあって始終浮いている、地に足着いていない日常。理屈っぽい主人公が意味もないことをよく喋るというのもきつい。それに彼女との会話がまるで"夫婦論戦"の様相を呈していて、全般的に「まず会話ありき」というテキストは翻ってその内容がひどく空虚で、いちいち読んでいられない。
実質の感じられない日常に、端折りすぎてる学校生活、抑えるところを抑えず余計なところが冗長で、総合的にしまりがありません。2人の過去にはそれなりの事情があるみたいな雰囲気だけど、そういうことが気になれるほどこの作品には"余裕がない"んですよね。
何でもいいから、嘘でもいいから、芯となるもの、プレイヤーが気にならずにはいられないようなテーマが、欲しいところです。
付き合って半年になる彼女と、その彼女の友達であるクラスメート、そしてラストに登場してくる転校生で主人公の幼馴染。その3人が主人公と恋愛的に絡んできそうなヒロインなのですが。この際ヒロインの描き分けについてとやかく言いませんよ(絶対姉妹だと思った)。酸いも甘いもない没個性的であやふやな主人公像についても不問に付します。ただ、目も描かれていない主人公をあまりイベントCGに混ぜないでください、気味が悪くて仕方がないじゃないですか…。
キャラデザは良いんだけどなぁ。(結局はそれですか…)

プロジェクトついんてーる*「WITH LOVE 序章」(体験版)[同人ゲーム] http://terra.jpn.ph/~twintail/

優れた絵の才能を秘めつつも絵を書くこと自体に楽しみが見出せず、怠惰な日々を過ごしている主人公という設定。いえ、「Canvas〜セピア色のモチーフ〜」のことではありません。
しかし前作と違い(だから前作違うって)主人公が思いっきり楽しそうですよ。半ば彼女のような幼なじみを、ただでさえ童顔な彼女を、さらに幼女化したうえでおままごとなどにうつつを抜かしていやがります。羨まし過ぎるぞその妄想力(少し分けろ)。
というか、朝っぱらからインテレクチュアルでスピーディなディープ・カンバセーションを繰り広げてるこんな幼なじみ同士って、すごい嫌だー。(ごめんなさい。「美咲編」のあの朝のやりとりに耐えられず辞めてしまいました)
もうね、序章にして主人公の設定転覆、「貴方の心には何が描かれていますか?」どころじゃないっつーの。
それにしても、どうしてこう主人公のキャラクターにしろヒロインとの日常的やりとりにしろ、ギャルゲーというものは常識的な世界というものをぶっ壊したがりますかね。この男友達なんていきなり教室で古典の先生と戦闘をおっ始めますから。「シャーペンを投げる」か「消しゴムを投げる」かという選択肢を選ばされたときには、どうしようかと思いましたよ僕。
というか「投げるなよ」と。「キーボードを投げる」ぞと。静流編の女主人公もかなり壊れてて、というか暴走してるし。黄金の左足バーガーという発想は食べ物に対して失礼だろ。なんだかなぁ。
現実的でなくてもいい、良識的でなくてもいい、せめて、リンゴが手から離れたら地面に落ちるくらいの常識的な世界であって欲しいと望むのは、贅沢なことでしょうか…。
まあ、なんというか、世間一般のギャルゲーというものに共通する悪乗りの悪い部分を垢抜けないセンスで複製したような、そういう"やっちゃった感"が満載。でも、いい意味で垢抜けない地味で童顔なキャラデザは僕好みだし(ツインテールはロリ前提的に好きですしね)、まぁだからゲットしたわけですけども。真奈の声優さんもキャラに良く合ってました(ぶっちゃけ、彼女以外のキャラの音声はオフにしてプレイしました)。
頑張って欲しいところですね。