Ma-Na


KEY歴代作品から1曲ずつ集結させたというコンピレーションミニアルバム「Ma-Na」。ソフマップ町田店でたまたま見かけて、「Gentle Jena」に惹かれて迷わず購入。発売日は2005.08.12になっているけど、去年の夏コミで発売されたんでしょうか、全然知りませんでした……。
思わずはっとさせる煌びやかな幕開けから、一転してうららかなポップサウンドが心地よく展開するM1「朝影」。透徹な音色を響かせるピアノは、ストリングスとともに穏やかながらドラマ性を秘めたメロディを奏で、ファニーなサンプリング音を織り交ぜた朗らかなファンタジックサウンドは、キリっと身の縮む空気に包まれた楽しげな日常をすっきりと描き、美しい情景に愛着すら感じさせます。そういえば「Kanon」の音楽をちゃんと聴くのはこれが初めてかも。
晩夏の哀愁をあどけないノスタルジーに詰め込んだオリジナルの旋律を、まるで豊かな実感と鮮やかな情緒を吹き込んでいるかのように奏でるニ胡の切情的な音色、暖かに研ぎ澄まされたアレンジも相まってえもいわれぬ感慨をいっそう呼び起こさせるM2「夏影」。これは、名アレンジですね。
楽しみにしていたM3「Gentle Jena」は、自己閉塞的なアンビエントを延々と聴かされて正直ガッカリ。まるで「『Gentle Jena』をネタに自分の音楽を聴かせてやるぜぇ!」とでもいうかのようなあつかましさに憤りすら覚えます。僕の大好きな曲が僕の大嫌いな音楽にさせられる。聴かなければ、良かったな。
こちらもニ胡による演奏がまざまざと印象的なM4「渚」。得たものも、失ったものも大きいコンピアルバムでございました……。