キノの旅、僕の旅。

tsukimori2006-04-28

キノの旅」を読みながら向かった先日の2次面接、「キノの旅Ⅱ」を読みながら向かった今日の最終面接で、やっとこさ内定をいただきました。内定といっても中途採用で、そんなに華々しく喜ばしいものでもないんですが。
ここ2ヶ月ほど、市内を中心にいくつか面接に赴いて、振られ、その3倍の履歴書を送付して、蹴られ……。人として深刻に落ち込んだりもしました。現実問題、5月の連休が明けても働き口が見つからないのなら、何かバイトを始めなくちゃと思っていたくらい。
失業というのはそれがたった1ヶ月でも辛いものです。こうしてblogを更新していても、ラグナロクをプレイしたり音楽を聴いていても、社会から疎外されているという不安感、就職の役に立たないことをしていてもいいのかという罪悪感が常に頭の隅から離れない。漠然とした居たたまれなさ、何もかも熱心に取り組めない、手につかないことで蓋然的に頭角を現す無気力感、時間だけが無為に浪費されているという現状認識が、さらに焦燥感を煽っていく……。
失業という疾患の初期症状に苛まれ始めた僕の就活用ファイルケースに、最後に残ったのがこの、都内の非営利団体でした。それが、最終的には自分に一番合っていた、というより自分がもっとも好ましく思える働き口であったことは、案外幸せな巡りあわせだったのかもしれません。大学で学んできたことを多少生かせる業界で、ずいぶん遠回りをしてしまったような気もしますが(もう三十路ですよ)、それはそれで自分らしかったと将来思えるようにありたいものです。
もちろん最初はあくまで試用期間、通勤時間はえらい長いし、ラッシュに絞め殺されるか仕事に捻り殺されるかわかりません。ぐうの音を出すことかけては自信ありますし。あるいは面接でさんざ重ねてきた嘘がバレて、今この瞬間にも携帯電話が鳴り「やっぱ内定取消し」言われるかと冷や冷やモノ。
僕が面接で述べてきたカッコいいことは残念ながらそのほとんどが嘘で、曝け出してきた情けないダメなとこはそのすべてが真実。その情けないダメなとこに構わず内定を頂けたのは存外の幸せではあるものの、それと嘘とは関係ない。嘘か誇張で塗り固められた職務経歴の類、電話一本できっと、ゲームオーバー。

「そうですね。でも、あまり考えすぎないように。考えるだけで、終わってしまわないように」

妹に以前薦められて、たまたま古本屋で買い求めた「キノの旅」だったけれど、これもまた何かの巡りあわせなのかもしれません。忘れられないシリーズになればいいな、いい意味で。
これでもう金輪際、仕事に関して愚痴とか泣き言とか偉そうなことを書かないようにしたいものです。多くの有名なblogサイトのように、仕事に真剣に取り組むのは当然、そのうえで趣味やネタに情熱を注いでいけるような、オタクとしての器量を少しずつ深めていけたらいいと、思います。
はてさて、我が事ながらどうなることやら、というのが正直なところ……。とりあえず今夜はエビスビールで乾杯。帰りに購入してきたパッケージ版「planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜」は明日プレイしようっと。書き下ろしの小説なんて同梱されていて(知らなかった)、どうしよう、幸せすぎる……。