お母さんのエプロン
お母さんのエプロン ほんとうは
それは羽だったんでしょう
でも 私や父さんのためにとぶこ
とをあきらめて エプロンに作り
かえたんでしょう せんたくした
日に ベランダで大きくゆれてた
今にも空にまい上りそうだった

 「人間の内面が持つ非合理なもの、心の動きを『野生』とすれば、それを表現したものが芸術。詩や絵画、音楽などは人類の創作活動の根源にある『野生』を残す貴重な表現領域です」

 「エリートいう言葉を間違って使っている。単に学歴があり、社会的地位が高いだけではないはずだ」
 その反動に自分中心主義があり、自分らしさや自分がしたいことばかりが強調されてきたと見る。
 「世の中のため、という視点が抜け落ちている。自分は何者かを探し続けても簡単にはわからない。社会の格差が広がっているだけに、皆が自分探しをしていては日本の将来が心配だ」

 戦後の焼け跡時代、「堕落論」を発表した作家、坂口安吾は、贅沢は敵とする"健全"なる道義により、日本の兵器の近代化が進まず、亡国の悲運を招いたと主張した。乏しきに耐えず、必要を求めるところに発明や進歩がある。安吾はこう語り、耐乏、忍苦を美徳とするのは、愚かで弱い人間の実相を見ない「欺瞞」と断言したのです。