PS2がどうしても起動してくれないので、やむなく、積んであったエロゲーを消化することにしました。僕がエロくなったらソニーの責任ですよ。
で、「こなたよりかなたまで」。
パッケージ新装版を買っていて、サントラが手に入らなかったことが少し残念。それよりも作品自体、かなり残念…。何は置いても、巨乳看護師と美幼女を1つのエンディングに纏められるそのふしだらさに、激しく憤慨。あるいは、いい親友・素晴らしい男なのに報ってやらないその人でなし加減に。
主人公の人となりと、作品(物語)のありようが、僕にはとても卑怯に思えて仕方がありません。テキストでは「生きるということ」について青臭いまでに饒舌に語らしめているけれど、その実、あの酷く中途半端で歯の浮くようなエンディングは、「生きるということ」を愚弄している。彼は結局、生きてもいなければ、死んでもいない、なんて不遜な"人の形をしたモノ"だったろう。
その設定と、まどろっこしいほどの自省を深めておきながら、描かなければいけないコトをすっぽり描かず、プレイヤーに対する"おとしまえ"をいっさい放棄して、そこに残るのはただ拍子抜けするほど軽薄なドラマ。生煮えの無邪気さと自惚れた辛気臭さが、嫌に鼻につく。
「どうせ僕は君より早く死ぬのだから…」、あらゆる論理を封じ、あらゆる情緒を総なめにするご都合主義の権化は、天下御免とばかりにヒロインの強奪し、即製の恋愛を謳歌し、その"ツケ"を払うこともなく、物語は幕を閉じる。それはまるで"食い逃げ"のよう。いったいこの作品は、最終的に何を表現したかったのか。
「生きるということ」が、萌えの"付け合せ"か"前菜"に堕していることに耐えられなくて。というか、僕はたかがエロゲーに何を求めているのでしょう。
埒もない…。