エロゲーの初回限定版にサウンドトラックが封入されていることがよくあるけれど、それってどうなんだろうと僕はよく思います。初回限定版が通常版より値段が高かったりする場合、その差額がサウンドトラック分だったりするとますます、悩ましい。
ゲーム音楽は、ゲームをプレイしてみないと良さは分からないものだから、サウンドトラックがゲームパッケージに同梱されるというのは、少々リスクが高いように思いません? 好きにならなければ全く無駄(未開封で中古ショップ行き)になるし、さいわいゲームが気に入って、音楽を(サウンドトラックという形で)聴きたいと思ったとしても、それがとっくに手元にあるというのは、ありがたみがないような気がします。
サウンドトラックって、客観的な、その作品を鑑賞していた自らの心象も含めて郷愁するためにあるのではないかと思うから。音楽だけでなく、ライナーノーツに載せられる、製作者や作曲者からの作品に対するちょっとした思いに共感し、浸る。それは音楽を通して作品と、自分を懐古するための大切なアイテムであり、振り返る機会だと思うんですよね。
ユーザーが、ひとつひとつの作品を懐古する余裕もなく、忙しなく次々と新作に手を伸ばすのが当たり前のこの業界。だからこそ、サントラがゲームパッケージに一緒くたにされてしまうのもやむを得ないのかもしれません。そんなようなことを、先日の夏コミで買ったサントラを聴きながら思ったのでした。
いや、「planetarian〜ちいさなほしのゆめ〜」のサントラはひどいものでしたがね。きっと価格2000円の1700円分くらいは、特典のイラスト集が占めているのではないかと。半ば予想してはいたものの、その愚直なまでの収録内容には呆れます。確かにオリジナルサウンドトラックと銘打たれている以上、原曲以上の内容を求めるのは筋違いだけれど、発売からもう2年近く経っているのだし、たとえば生ピアノなどのアレンジや新作イメージ曲などがあってもよかったし、ゆめみちゃんがナレーションを勤める新作プラネタリウム番組とか、「これはやられた〜」くらいのパンチが欲しかったですね。
だって私、2日目、このサントラをゲットするのが主目的で豪雨のなかビックサイトへと突入していきましたからね…。それでこれかと。手前勝手な話ですが。こつえー氏描き下ろしゆめみちゃんイラスト[神]で、自分を慰めている次第です。