半年分の通勤定期券が、僕はどうしても買えません。
定期代の支給が6ヶ月単位で算出されているので、6ヶ月分を買わないと損してしまうんですが、それでも買えないんです。なんかこれを購入してしまうと、次の日とかに「あ、君明日から来なくていいから」言われそうな、そんなオチを積極的に招来してしまいそうで…。
だから今日とて買うのは一月分の定期。一月分ならたとえ無駄になっても被害は最小限で済みますからね。それにオチとしても弱いからなんとか、なんとか発動自体回避されそうな気がしますし。敢えてするこのトンマな損は、僕にとってはある意味「お守り」みたいなものですね。ずいぶん高いお守りではありますが。

やっぱりショパンの練習曲・アシュケナージ盤は気に入りません。ざっくり言えば、そつがない分コクがないんですね。
高校のとき、音楽の先生に借りてテープにダビングしたマウリツィオ・ポリーニの練習曲全集があまりに鮮烈的で、陶酔的で、これもまたテープが延びてしまったくらい繰り返し聴いたものです。好きな女の子との淡い思い出より、ポリーニの練習曲とかリパッティのワルツを聴いたときのことのほうがより強く印象に残ってるというのは、青春男児としてどうなのよと思わなくもないのですが。それはもう取り返しが付かないことなので置いておくとして…。
無意識のうちにあの演奏と比べてケチつけるくらいなら、いっそそのポリーニ盤を今度は買えばいいじゃんよと、正直思いました、今。

駅のホームで目が合ったかわいい女の子、「今日はいいことありそう♪」乙女ちっくにキメようと志してすれ違った即後、納豆の悪臭が僕の鼻腔を不法占拠…。天国から地獄とはまさにこういうことをいうんでしょうか。ちくしょう、スカートの裾に洗濯ばさみ挟むぞゴルァ。
いやまあ。確かに納豆臭を辺りに振りまく公共デストロイヤー美少女というのも、それはそれでこのマンネリ化した美少女ヒロイン業界に一大旋風を巻き起こしそうではありますが。
「ねえねえそこの君、納豆に何入れて食べる?」という唐突な質問で何を選ぶかによって、フラグの帰趨が確定するアバンギャルドなプロローグ。お手製お弁当はもちろん自家製納豆。「はい、あーん」は糸ひいてます。納豆の口臭で過去虐めにあってきた彼女を癒していく主人公(出身は水戸市)。「健康にいいから」と親切なおじさんに勧められて、納豆にシラスを入れて食べている主人公の姿にショックを受け、消息を絶ってしまった彼女を、納豆のかすかな匂いを頼りに探す主人公。「貴方にとって納豆なんてただの健康食品、食卓の脇役に過ぎないんでしょ!」「違うっ、気づいたんだ。健康とかシラスとか本当はどうでもいい、僕はただ納豆が大好きなだけなんだよ!」、強く抱きしめあうふたり、なんて感動のクライマックス。そうして訪れるセックスシーンは、これでもかっていうほど納豆まみれ。「痛っっ! それは納豆のマメじゃないよう…」「いやぁん、そんなとこにカラシぬっちゃだめぇ!」「んむ、はひをきれひにしたげゆね、んちゅぱ」「はぁっ、はぁっ、もっと、満遍なくこねてっ、きゃぁんっ! そうっ、めちゃくちゃにかき混ぜてっっ! はぁっ、ひゃっ、百回はかき混ぜっ、んはぁっ、なきゃ、んくっ、美味しくなんないって、んんっ、み、みのもんた言ってぇ、はぁぁっ、たんだからぁぁっっ!!」…。
ああ、妄想するだけで吐けそうだ…。