DEATH NOTE O.S.T

DEATH NOTE オリジナル・サウンドトラック

DEATH NOTE オリジナル・サウンドトラック

ウェットでシャープ、どこか宗教的な孤高さすら匂わせるタニウチヒデキ氏の枯淡なロックが前半、合唱を前面に押し出し、高揚する危機感と激昂する精神性をダイナミックに表現する、ハリウッドの映画音楽に引けを取らない平野義久氏の劇場型オーケストラが後半。それにOP/EDのTVサイズを添えた"ぶったぎり"の構成は、1枚のCDにまとめちゃうか?普通…というくらいのものすごいボリュームで、それぞれまったく独特の世界。異様ともいえるその音楽的濃度はもはや驚愕ですよ。
キラ、Lという不世出のふたりの天才の間で火花散る、善悪を超越した厳粛なサスペンス、その内面(関係)性をタニウチヒデキ氏の音楽が表現しているとすれば、彼らの苛烈なる戦いが人々を、社会を混乱の坩堝へと落とし込んでいく、その客観(事実)性を平野義久氏の音楽が表現。こうしてサントラを聴いているとわかります、この作品はTVアニメなんかじゃねえ、ハナから映画なんだと。テンションの持って行く先、目指しているところが違うのだと。
僕は原作を2巻までしか読んでいないので(平野綾が演じてる女の子が出てこない程度)、デスノートに関するほぼすべてが初体験。実際のところも、毎週映画を見ているように楽しんでいます。
それにしても、日本テレビのこの深夜時間帯アニメは音楽が僕好みのものばかりでたまりませんねえ。「ベルセルク」に「MASTERキートン」でしょう、「陽だまりの樹」に「MONSTER」、全部サントラを持ってるよ…。とにかく、「DEATH NOTE」はこのままの勢いで原作コミックの全編をアニメ化してくれることを願うばかりです。途中で終わったりしても原作読まないんだからっ。