ししゃもフライで「明日も元気」

ホームメイド目撃の帰り、近所のよろず豆腐屋に寄って、明日の弁当のおかずにと惣菜を買おうとしたら、あまり見たことのないおじいちゃんが、「おいあんた、これ食うか?」と"ししゃもフライ"をくれました。なんでタダ、なんで僕、なんでししゃもフライ……、もうツッコミどころありまくり、ギャルゲーでならよくあることだけれど、リアルでここまでのそれはたぶん初めてかもしれません。フライはさみでそのまま渡されたら、手に油がついちゃうじゃない。お、美味しかったから別にいいんだけどねっ!
しかし「これ食えば明日も元気だ!」なんてアホなこと言われて、ちょっと泣きそうになってしまった。なんて安っぽいんだ、でもそれくらいがちょうどいいのかもしれません。ししゃもフライを1本食べて元気になるくらいの安っぽさが、精神にはむしろふさわしい。高尚な、1枚ウン万円もするような特選ステーキ仕様だから、そう思い込んでいるから、精神は、気持ちは、たいていなかなか思うようにはならない。形なきものに、えげつない形を無理矢理こじつけているだけなんじゃないかと。僕らは庶民なんだからさ、心も庶民でいきたいですよね。高くて買えない水筒代わりの湯たんぽに水入れて遠足行きましょうよ(出典「佐賀のがばいばあちゃん」)。本当に必要なのは、水なんだ。
ししゃもフライは元気の源。そういえば、給食以来でちゃんと食べたことが果たしてあっただろうか……。明日いいことあったら、いや、それほどいやなことがなかったら、そう認定することにしよう。うん、そうしよう。今度はちゃんと買おうっと。