コードギアス 反逆のルルーシュ O.S.T.2

コードギアス 反逆のルルーシュ O.S.T.2

コードギアス 反逆のルルーシュ O.S.T.2

前回のサントラで、中川幸太郎サウンド全開を期待していて、多少裏切られて、適切な覚悟が出来ていたからか、今回のサントラはけっこう聴けますね。劇中の要所要所を堅実に彩ってきた、小粒で小粋な佳曲群と、華やかにキメていた美しい、イカすボーカル曲と。ジャンル的にも情感的にもバラエティに富んだ、聴き応えのあるサウンドトラックになりました。とはいえ、「これがコードギアスの音楽だっ!」と力いっぱい断定できるような曲はここでも見当たらない。それが、本編の怒涛の決然さと、他の追随を許さないオリジナリティに不釣合いで、宿命的に物足りなさを感じてしまう原因なのかもしれません。やはり中川幸太郎が音楽を担当するなら、OPもインストゥルメンタルとして作編曲して欲しかったと思うのは、贅沢なんでしょうかね。べ、別に「解読不能」がどうとか、言ってるんじゃないけれどもっ! (ああ、収録されている「COLORS -CODE GEASS OPENING MIX-」を聴いてしみじみと思う、なんて名曲だろうか、と)
しいて挙げるなら、この曲こそ「コードギアスのテーマ」なのではないかと思えてきます、予告で耳に馴染んでいたあの曲M1「Previous Notice」、これぞ怒涛の決然さ。あるいは「これがレヴュー!」と声を張り上げそうな、華麗とはこういうことをいうのよ的M3「School Festival!」。映画音楽で聴けそうなコミカルシーン御用達M4「I can't do it」。しっとりとしたギター、ゆるやかな弦楽、ほほえましい雰囲気に頬も緩むM6「With You」。情熱的なサンバのリズムに乗り、轟くように雄雄しい男性ボーカルが、ハイトーンに差し掛かると不意に高貴な色合いを帯びるあたり、作品のテーマに振れている気がするM11「Black Knights」。飄々としたトランペットが静寂のなか不穏な情景を匂い立てるM13「Pessimistic Time」。
短い、だがそれがいい、差し迫った緊迫感と、立ち向かっていく熱さを遺憾なく吐き出すブラスバンド・中川節に安直なメロディはいらない、M18「State of Emergency」。続くM19「Air Surfing」も熱い、ついにメロディが迸る、それは事態が拮抗している証拠。そしてついに黒幕の登場か、背後でひそかに刻まれるハープシコードサウンドは中庸だがかえって抑えがたい切迫が炙りだされるようM20「Avalon」。そしてタイトルを見よ! M21「Final Catastrophe」。M18-21はいっそ組曲にしたほうが良かったのではないでしょうか。
ボーカル曲もボリュームいっぱい。M2「Callin'」とM17「ピカレスク」は酒井ミキオ。クールでパッションな楽曲を粘っこいほどナイスガイのボーカルが歌う、なんていけすかない(褒め言葉です)。M7「Alone」とM22「Innocent Days」はhitomi。まるで女神のように透きとおったたおやかなボーカルが紡ぐ英詩は、まるでこの世のものとは思えない。にもほどがある「Innocent Days」。まるで天上界のまどろみをまかり間違って音楽に変換してしまったかのように、こんなところでこんな僕が聴いていいものなのだろうかと不安になってしまうくらい、極上のきわみ。癒されるというか、救われます。泣けるというか、鳥肌が立ちます。