熱帯夜とプール

 深夜、ビールが飲みたくなって近所の(といっても歩いて10分ほど)24時間営業グルメシティに行く。安酒飲みにはバーゲンブローノイヴェルトがおすすめ、味は悪くないし第一安い。これで500?缶125円というのは正直反則だと思う。
 で、往く道の途中に小学校があるのだが、そのプールからなぜか水の流れる音が聞こえてくると、「イリヤの空、UFOの夏」を思い出した。
 深夜学校のプールで泳ぎたいと思う男の子もどうかと思うが、そのプールで女の子と出会うとは、かなりどうかしている。とはいえ、例えばこんな、台風明けの熱帯夜などに、人はまるでどうかしてるとしか思えないような行為を、易々と犯してしまうのかもしれないなあと、思ったりもする。僕ですら、この塀を飛び越えてプールに飛び込みたくなってしまったように。
 そこでスクール水着姿の女子小学生が泳いでいたりしたら、それは僕に、人生を捨てなさいという啓示なのだろう。そして、人生を捨てるほどの覚悟と決意がなければ、きっと、リアルにおいてメルヘンなボーイミーツガールは起こりえないのだ。