「ぼくらの」布教

 「最近オススメのアニメは?」と、知り合いに聞かれたので、とりあえず「ぼくらの」と答えておいた。すると彼は「一度見たことあるけど、なんか、生徒の女の子が先生とデキちゃう話で、『このアニメは見ちゃダメだ』と直感的に思った」のだという。なんて、淡々と狂っている「ぼくらの」の中でも、特にディープな話を初回で見てしまうかなこの人は……。
 だから僕はせいいっぱい、彼の第一印象を修正して、かつ布教しておいた。あの話だけでは分からないかもしれないが、このアニメはロボットモノなんだと。勝っても負けてもパイロットの少年少女は死んでしまうという、素晴らしく悪質な作品なんだと。「面白そうじゃないですか」、それだけで通じる部分があるというのが、同世代のよしみだ。
 ただ、「好きなガンダムは何?」という問いに、「ガンダムX」といまだに答えられないでいる僕、「た、ターンAかな」と無難に答えてしまう僕は、やっぱりロボットアニメという共同幻想と相容れない存在なのかもしれない。
 「私はD.A.M.E…」