「魔法はあめいろ?」その1

 ちょっと厳しいなあ、「魔法はあめいろ?」。
 前から環ちゃんが気になっていたので、素直に彼女寄りの選択肢を選んでいたら、短兵急に「なんて素敵な女性だ、これは運命の出会いなんだ!」などと主人公が盛り上がっちゃって、猛烈アタック開始。教育実習が始まったその日に知り会って5日と経たず、社会科準備室で押し倒してしまうところで「ちょっとこれは…」、プレイを止めてしまいました。
 独りよがりというレベルじゃない、非常識すぎる。むしろ犯罪。
 馬鹿らしくて無茶くちゃな選択肢はゲームを低俗にし、教育実習で来ているのにヒロイン3人娘と駄弁ることが物語の中心となっている、ポジションのあやふやな主人公は、無駄な知識ばかりで思慮が足りず、笑わせたいのか、真面目なのか掴みづらく、その人柄もまた定まっていません。彼の存在は不安定で、彼の言動は不用意なのです。
 たぶん止まっているシーンを越えれば、それらの多くが解決されるんだとは思うのだけれど、しかしねえ。自信を付けさせるためとはいえいきなり女生徒のおっぱいを剥き出しちゃうような行為に、どう恋愛を読み取れというんだろうねえ。いや、濡れ場を構成する意味を持たない喘ぎだとかはたいていスキップしちゃってるんだけど。
 …次はもっと無難な作品にしよう。王道というか、定番というか。軽薄だって、都合が良すぎたっていい。大作じゃなくたっていいんよ。僕の想像と常識の及ぶ範囲内の、うぶで真摯な恋愛を味わいたいだけなんだけどなあ。