「あらやだ、お花までかかってる」

 1月の15日に回線が開通・契約発効したのに、遅れに遅れて結局2月2日に機器が届いたUSENギャオネクスト
 1ヶ月間無料と言われていたのに、料金が発生しないよう2月12日機器回収と手続きをしたので、1ヶ月どころか10日しか利用できませんでした。もうね、インターネットに繋がりさえすればもう何も言うまい的心境。それすら、3月から値上がりするんですけどね……。
 さて、そのギャオネクスト。見たい番組が見たい時にいつでも見れるというスタイル自体は確かに魅力的なんですが、いかんせんそのラインナップがあまりにしょぼい。僕はもちろんアニメくらいしか見たいジャンルはなくて、「宇宙戦艦ヤマト」や「ルパン三世」、世界名作シリーズと言われてもねしかし。少なくとも今日明日見たくなるようなタイトルではないし、いつでもと言われても、機会があれば見たい程度の動機しか持ち得ないでしょう。
 まあ、美少女アニメというジャンルが立ってて、「つよきす」「こみっくパーティ-Revolution-」「鍵姫物語 永久アリス輪舞曲」など、マニア受けのするそこそこ評判の良いタイトルを揃えてきてるあたり、頑張ってはいるなと思うんだけど、どう言い繕っても圧倒的にタイトルが少ないんですよ。しかも新着タイトルは一向に増えないし、このボリュームで月4000円も払うんだったらぽすれんでも利用したほうがはるかにマシです。
 何考えてるんだろうねえ、USENは。
 それでもまあ、10日間という条件付とはいえ個人的には十分楽しめたと思っています。ちゃんと見たタイトルは、「はいぱーぽりす」「ガン×ソード」
 本当になぜ「はいぱーぽりす」なんだろう、地上波放映当時それほど盛り上がったというような記憶はないんだけど。つくづくギャオネクストにおけるアニメタイトルの選択基準あるいは選択者の考えに興味がわきます。とはいえ、僕好きなんですよ、「はいぱーぽりす」。特に第22話「ポ−さんのユ−ウツ」が。
 最近では、どこか病んでいたり腹黒かったりとネガティブな印象の強いヒロインくらいしか演じることのなくなった天野由梨が、とても"普通の"女性を演じているところがむしろ新鮮ですね。
 ポーというクールな精霊使いの女性が、助けに行ったのに逆に助けてもらったトミィという人狼の青年(彼は以前の話でポーに一目惚れ、告白したものの変態扱いされ振られている)に惹かれ始めながらも、素直になれないというような、まあ王道のお話。ツンデレという言葉はまだ発明されていない時代の作品です(って、もう10年の前の作品なのかよ)。
 主役の笹原夏姫や桜、バタネンはほとんど出てこなくて、多発する異変の対処に駆けずり回るポーの視点で物語は進んでいくんですが。いつものように強がって、冷静沈着を保とうとするものの、急転する事態にその仮面はあっさりと剥がされ、ドジったり落ち込んだり弱音を吐いたりと、屈託のない等身大な女の子の揺れ動く気持ち、垣間見せる弱さがとても愛おしいんですよね。
 そしてついにトミィとふたりっきりで会う機会に恵まれて、その車中「忙しかったのならお誘いしなかったほうが……」と気を使ってくれるトミィに、ポーがそっと寄りかかるんですよ。これまでにないとても穏やかな表情を浮かべて。
 でも足元にイヤリングを見つけ、「二股かけてるのねっ!?」と一転して不穏な空気に……。

 「すす好きなのは、愛してるのはポーさんだけで――」
 「気安く愛してるだなんて言って欲しくないわっ! 馬鹿にしてっ、馬鹿にしてぇっ!」

 ここでの演出が当時すごく印象に残ったんですよね。それで今調べてみたら演出と絵コンテ切っていたのは石原立也。なるほどなあ。川井憲次の音楽もシンプルでいい。シャワーシーンもすごくいい。
 そして「ガン×ソード」は、僕などが改めて言うまでもなく、傑作。地上波放映のとき最初のほうと途中何話か見逃していたので、補完するという意味で全話ぶっ通しで見ました。というか第16話「輝くは電流火花」を見落としてそのままにしていたのはまったくどうかしている。この話を押さえずに「ガン×ソード」を傑作呼ばわりしていたとは、厚顔無恥とはまさにこのことですね。
 なにせウーに負けて終わった回の次に見たのがミズーギィだからなあ。絶対おかしいだろソレ。