毒を食らわば洗剤まで

 件の、農薬が付着していた冷凍餃子問題。
 五輪が近いということもあるのか、中国のただれた食品事情を取り上げないメディアはありませんが、その中でも特におかしかったのは、野菜洗浄剤なるものです。中国では野菜に農薬が残留しているのはもはや当たり前で、その残留農薬を洗い落とすための洗剤が市販されているらしいのですよ。

 「中国人の間にも、野菜にこびりついた農薬の怖さは知れ渡っています。そのため、野菜を調理する場合は湯通ししてから冷凍し、それを解凍して使うか、洗剤で洗うのです。"白猫"というブランドの洗剤が割に知られています」(週刊新潮2月14日号)

 残留農薬が気になるなら洗い落とせばいいじゃないという発想自体、すごく安易な感じが……。洗剤だってそもそも薬じゃないのかしら。しかしこれに類する商品が日本でもすでに販売されているそうなんですよ。

農薬や環境ホルモンなどを除去!!
そのお野菜、洗わなくても大丈夫!?
焼成カルシウムが野菜やお米の本来の旨味を引き出します!!
元気!おやさい 30包入り 2,400円
 「中国のものは普通の食器洗い洗剤とほとんど成分は同じ。これでは逆に体に悪い可能性もあり、日本に輸入しても売れないでしょう」(前掲誌)

 毒をもって毒を制す。さすがは中国、毒を食らわば洗剤までという寸法ですね。
 それにしても、見た目無害そうとはいえ野菜を洗うのに洗剤を使うというのは、生理的にどうしても受け付けられないものがあります。しかしそんな悠長なこともじきに言っていられなくなるのかも。
 料理をしたことがない女の子がお米を研ぐのに洗剤を使ったという笑い話をよく聞くけれど、今は無洗米があるから助かるよねいろいろな意味でと思っていたところ、今度は中国産の冷凍餃子を"元気!おやさい"で洗ったら溶けてしまって、ちょうど帰宅した亭主が「美味しそうな水餃子だね」とパクって食べちゃったというような笑い話が、流行するようになるんでしょうか。