「ひまわり」始めました

 まあ、とらのあなに引き取りに行った同人アイテムというのは、ぶらんくのーとというサークルの「ひまわり」という同人ゲームなんですけどね。
 ひまわり
 同人ゲームって、こんなにもクオリティ高いものだったんですかね!!? 僕はてっきり、コミケとかで永遠に体験版を頒布しつつ完成版が出るのを誰もが無責任に夢見ている世界なのだとばかり思っていました。
 僕としては、ヒロインがロリっ娘で主人公が星好きでキャラデザ的にも申し分ないというだけでプレイする価値は十分。だから、何の脈絡もなく触手が出てきても何の世界観もなくヒロインたちをいっしょくたに"汁まみれ"にしても泣かない覚悟でいたのに。
 意表をついて骨太のサイエンスフィクション。宇宙や星に思いをはせるロマンティックな味わいと、宇宙開拓が引き起こした事故の犠牲者という主人公の由来。思わず引き込まれてしまう鳥肌級のサスペンスは、見た目ロリっ娘のくせに人生の酸いも甘いも濃密に刻み込んで、その生々しいまでの人間という"じっとり感"は、おやじの心にやたらと染み入ります。
 人生経験をそれなりに積んできたロリコンおやじの貴方なら、きっとすげえ泣けます。心が"くしゃくしゃ"になっちゃいますよ。
 まあ、そういうのは好みの分かれるところだという分を考慮にしても、作品そのものに好感を抱いてしまうとしたら、それは主人公、というかシナリオのスタンスが実に謙虚で大人しいというのがあります。
 宇宙だの遺伝子だのとスケールのデカい物語を描こうとするといかんせん、見せ場と自負するシーンを決定的に盛り上げよう印象づけようなどと、カッコいい形容詞とか必殺技的な言い回しをぞんぶん注いでギドギドしつこく描写してしまいそうなものなのに。
 鼻につく自惚れや難解なだけの陶酔さを感じさせない、どこまでも落ち着いたブレない形容と簡潔で的確な思慮によって淡々と構成されるフレーズの、朴訥とした連なり。ゆえにサイエンスフィクションやサスペンスという内容を理解しやすくもしているんですね。
 また、選択肢の使い方に象徴されるゲームとしてのありようも実に絶妙です。例えばsecond episodeに唯一挿入される選択肢なんて、物語的に「まさにここにあるべくしてある選択肢」という意味で近年まれに見る鮮烈さでした。詳しくはネタバレになるので書きませんが、ゲームデザイン的にも唸らせられるものがありますよ。
 でもまだクリアしたわけではないんですねー。
 というかまだひとりのヒロインとのハッピーエンドも拝んでいませんのよ。
 たった1枚のエロ絵で濡れ場のシーンすべてを描いてしまうという、これは物足りないとかそういうレベルじゃなくなくもはや革命!w
 というわけで、しばらくブログの更新は止まります。それどころじゃないっていうか、「これだ!これでなくてはなっ」(某皇帝)という感じ。実はこれって「Ever17」以来の感覚ではないかなー。

 いよいよ4階の廊下――この校舎の最上階だ。
 「3かいとおんなじ廊下です」
 「…いいんだよ、学校だから」
 「?」