ヒロインが消えて、そして戻ってくる間の主人公についての描写、"転換"の失落と"余韻"のなさ

(1)ヒロインがこの世界から消失したあと、主人公の元へ奇跡的に帰ってくる時間的・物語的な隔絶部分についての描写があまりに平坦であること、
(2)あるヒロインにおいては、ふたりの絆の強さがもたらした奇跡によってヒロインがこの世界に帰ってくる、感動的な再会を経てあらやだ数クリックのちにはベッドシーンに突入しちゃっているじゃないの、その驚くべき余韻のなさ。
 (1)に関連して言えば、前作「ONE〜輝く季節へ〜」でそれまで主人公視点で語られていた物語が、主人公がこの世界から消えた後からヒロイン視点の物語へと転換している。その、物語的にいって大変劇的である転換をこなしたあとであるからこそ、ヒロインと主人公が再会するということの感動を、瑞々しい余韻をもってプレイヤーは迎えることができたのだ。ただなんとなくEnterキーやクリックを叩く回数を重ねていったら再会していた、というのではゲーム的にあまりに盛り上がりに欠けるといわざるを得ない。