"男"としての主人公に抱いてしまう、ある種の女々しさ

 前作「ONE〜輝く季節へ〜」と違うもっとも大きなポイントとして、今作「ONE2〜永遠の約束〜」は、この世界から消えていく存在が主人公ではなくヒロインであるという点。この相違点の根本的に抱えている問題点が、"男"としての主人公に抱いてしまう、ある種の女々しさである。それは、文化的な刷り込みであるというより、男である僕が女或いは男という存在に対して抱いているロマンティックな幻想だといってしまえばそれまでだが。
 女性には、消えていった自分のことをいつまでも想っていて欲しいと男は思うし、それは美しいこと・感動的なことと映るだろう。しかしヒロインが消えていって自分が残った場合、彼女の面影を残した彼女の肉親や別の女性のことを想ったり、消えてしまった彼女にしてあげられなかった幸せを、この世界で同じように生きている女性に与えたりするのが、男として、同じ男として美しく感動的に映るんじゃないだろうか。
(1)消えてしまったヒロインのことをウジウジと長い間想い続けている主人公に対する、そこはかとない女々しさ
 そして、そんな男(プレイヤー)というどうしようもなく自己中心的な世界の周辺には、
(2)主人公(自分=プレイヤー)が消えていくという現象は問答無用に受け入れてしまえたのに、ヒロイン(相手=非プレイヤー)が消えていくという現象は、その非現実性・不可解さ・強引さばかりが気になってしまうという奇妙さ
 も見え隠れてしている。まるで自分のおならはそうでもないが他人のおならは無性に腹が立つのと同じ理屈だ。