0-01-10から1日間の記事一覧

この世界から消えていった、そして戻ってこない僕らの共通体験-バッドエンド-

「ONE2〜永遠の約束〜」という作品の根底には、「ONE〜輝く季節へ〜」がもつ元来メルヘンチックであるテーマを、メルヘンの世界から掬い上げ剥き出しにしようという意図が感じられはしないだろうか。しかもその"情緒のない"試みは中途で失敗しており、なによ…

総括-矮小化したテーマ性に巣食うチグハグな違和感・湧き上がる不本意な訝しさ

深月遙編で触れたように、ヒロインがこの世界から消えるという信じがたい悲劇を、「ONE2〜永遠の約束〜」は、思い出としてではなく童話としてでもなく、主人公のごく身の回りで起こる現実として、それはあたかも"世界そのもの"を患部にした悪性の癌であるか…

"男"としての主人公に抱いてしまう、ある種の女々しさ

前作「ONE〜輝く季節へ〜」と違うもっとも大きなポイントとして、今作「ONE2〜永遠の約束〜」は、この世界から消えていく存在が主人公ではなくヒロインであるという点。この相違点の根本的に抱えている問題点が、"男"としての主人公に抱いてしまう、ある種の…

ヒロインが消えて、そして戻ってくる間の主人公についての描写、"転換"の失落と"余韻"のなさ

(1)ヒロインがこの世界から消失したあと、主人公の元へ奇跡的に帰ってくる時間的・物語的な隔絶部分についての描写があまりに平坦であること、 (2)あるヒロインにおいては、ふたりの絆の強さがもたらした奇跡によってヒロインがこの世界に帰ってくる、感動的…

ヒロインがこの世界から消えるという、シリーズのテーマに直結する現象に対する安易な姿勢

最近プレイした作品が原因なのではないかと思うのだけれど、「ONE2〜永遠の約束〜」という作品のテキスト或いは主人公像は、とても個性的で、というより一般的にいえば"弾け過ぎ"であるともいえるそのアクと、ただ面白おかしいだけじゃない、思いがけない見…

シナリオ概観(ピックアップ)

■芹沢心音編 唐突に現れ最初から主人公に対し好感度マックスの心音、ただ「可愛いいから」という理由くらいしか見出せない、主人公が心音に惹かれていく理由。なんの脈絡もないボーイミーツガールから、不自然極まりない"アホ"みたいなラブラブっぷりを見せ…

前説(日記に書こうと思って方向転換、その痕跡)

以前の日記で「ONE2〜永遠の約束〜」に触れたときは、まだ小菅奈穂・香咲乃逢シナリオしかクリアしていなくて、その2人のシナリオがそれほど印象良くなかった・取り立てて書きたくなるようなこともなかったのでたいがい作品自体に見切りをつけてそのまま放置…

ONE2〜永遠の約束〜

■プラットフォーム-Windows■制作-BaseSon■発売日-2002/04/26■攻略参考-白樺通り 三番地■クリア進度-コンプリート■最終更新日-2005/01/12■ネタバレ指数-50%

猫と猫屋敷と猫探偵

国ざかいに広がる大きな森のなかに、たいそう立派な館が建っていました。 この森の大半を治めているその館の持ち主は、この国のうちでも指折りの資産家でしたが、既に亡く、いまこの館に「人」は住んでいません。 この森を猟場としている狩人たちはこの「無…