投票箱に伸びきったラーメンは入っていませんでした

 「地域の投票所はたいてい、1番乗りを目指しておじいさんたちが毎回死闘を繰り広げている」
 というタレコミ情報を得て、じゃあウチの地元はどんな按配だろうかと、見物してやろう気分で6時50分頃に投票所に行きました。すると特に列はできていない。あぁ外からは見えなくて入り口の方にできているんだろうと、ビニールテープで作られた通路をほいほい進んでいくと、Yシャツ姿の係りのおじさんが中から現れ、「まだ投票時間じゃないので、少し待っていてくださいね〜」。
 「それで、一番最初に投票される方にはですねえ……」って俺が一番乗りしてどーすんだよ。
 という訳で、投票箱が空なのを確認させられるハメに。もっと頑張れよ地元のおじいさんたち!
 そんな想定外・初体験のイベント遭遇で選挙事務の女の子の品定めがじっくりできなかった参議院議員通常選挙でありました。


 夜半には突然の大雨が。今日は地元の夏祭り2日目なので、ひどいなあと思いつつ、雨水で頬に張りつく髪、首筋から胸元に流れる雫、肌に吸いつき身体のラインを浮かび上がらせる浴衣、そんな思春期的妄想を豊かに膨らませながら、相変わらずの暇防衛で選挙実況板と化したROのGvGを過ごしたのでした。
 結果は予想以上の民主党大勝。僕はもともと民主党支持者で浮気はしなかったけれど、今回はちょっと安倍さんがかわいそうかなと思ったりする。年金問題にしろ閣僚の失言問題にしろ、今日の自民党や安倍さん個人の責任にしてしまうのは少し、残酷だ。安倍さんに任命責任があるという。確かに、ああいう発言を許す思想を有していること自体、政治家個人としては非難されるべきだけど、しかし、大臣ともなれば発言には十二分気をつかうものだという良識は、個人の思想よりずいぶん優先するものとして首相は認識していて宜しいし、既定して当然だし、それが裏切られたことは、彼の責任の守備範囲外だと思う。能力を買って任命する、偏屈爺さんの良識なんて誰にも選考できないだろう。本当の意味で任命責任が問われるのは、田中真紀子を外相に任命した当時の小泉首相のようなケース。
 今回自民党が大敗した原因に数えられるいくつかは、いわば災難だ。しかし閣僚に"我"を出させるのを許してしまう、安倍さんの人となりとしてのやさしさと表裏をなす、威厳のなさ。彼はそもそも怖くなれないのだ、ふだんも、いざという時も。つくづく思うのは、安倍さんが首相になるのに10年は早かった。もっと一政治家として、地位や地力・胆力や図太さを熟成してから、どっしりと立ち上がればよかった。
 安倍さんの生真面目そうなところは嫌いじゃないけれど、一国の首相になるのなら、もっと(いい意味で)嫌らしいくらいの存在感を振りまけるようにならなければダメだ。そう思う。
 まあ小沢さんはね、嫌らしすぎだけど。そういうところが、僕は好きなわけだけど。