朝陽と中ネギラーメン

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 風邪ぎみのときはニンニクたっぷりネギラーメンに限るので(限るのか?)、ちょっくら食べに行ってきました。上溝にあるラーメンショップ
 ここのラーメン、僕は特別好きというわけではなかったのだけれど、朝7時から開いているのと、安いのと(いまどきラーメン400円)、母親が昔からここのラーメンが好きで、よくつきあっていたら僕もまんざらでもなくなってしまったという…。
 とはいえ、ガキの時分から食べていただけに、好むと好まざるとに関わらず、僕のラーメン嗜好の基礎なんですけどね。どこのラーメンを食べても、無意識のうちにここのラーメンと比べてしまいます。オーソドックスなとんこつしょうゆ味で、チャーシューはイマイチなんだけどネギだけは旨い。壁に貼ってあるメニューの書かれた模造紙が、油の染みついてささやかな風格さえ感じさせます。
 決して流行的ではないけれど、メディアを賑わす奇をてらった個性派ラーメンのたぐいに、飽いた頃合い、ふらっと食べたくなる、そんな味。ラーメン好きな人なら誰しも、そういう位置づけのラーメン屋って、あるものじゃないかな。
 一口すすってほっとできるラーメンというのは、メディアからは決して見つけられない。味にうるさいくせに、ここ以外のラーメンを食べようともしない、そんな母親を見ていると、美味しい食べ物の定義というものについて考えさせられます。
 たとえば、お祖母ちゃんがよくこさえてくれたうどん(麺は自家製、汁の具も山から取ってきた山菜だ)は、今ではもう食べることができなくて。学生時代によく食べたというもやしラーメンも、母親は未だに探し求めているようなところがあったり。
 大好きな食べ物を食べることができなくなるという悲しみを知っていると、その反動なのか、昔から好きで今も変わらず食べることのできる食べ物に、より愛着をもつようになるんじゃないでしょうかね。
 にんにくたっぷり、途中から七味とうがらしを大量に混ぜるのが定番の俺流ラーメンが、風邪に効果あるかどうかは甚だ怪しいが(というか、喉に悪いだろう)。途中から入ってきた若いカップルの彼女が、ネギをダブル(2倍)で注文していたのには驚いた。ああわかったよ、とっとと家に帰って首にネギ巻いて寝てりゃいいんだろうさ。