30代息子、アダルトビデオ収集

 クリスマスイブ(24日)はケーキを食べる日で、クリスマス(25日)はケーキの残りを食べる日です。
 始めは残すのもアレだから全部食べようとしたけど…もう食べられない。甘いものは嫌いではないけれど、主食じゃないから、それほどたくさんは食べられませんねえ。若い頃はホテルのデザートバイキングに友だちとよく行ったものですけど。
 
30代息子、アダルトビデオ収集

 60歳代の女性。夫は亡くなり、30歳代の二男と二人暮らしです。二男は東京の大学を卒業し、故郷に就職しました。帰省の荷物の中に、段ボール箱いっぱいのアダルトビデオを発見し、愕然(がくぜん)としました。
 二男は就職後まじめに働き、今では責任のある立場についています。しかし、通販で買ったアダルトビデオ類が増えているのが、気になります。ふとんを干すため二男の部屋に入ると見えてしまい、目を覆いたくなります。異常ではとも思います。一度処分するようにほのめかしましたが、気を悪くしたようでした。
 近くに住む長男に相談したところ、「静観した方がよい」といわれました。
 二男には、早く結婚して私を安心させてほしいと思っています。見合いをしたこともありますが、うまくいきませんでした。アダルトビデオ類を処分して、成熟した大人の結婚を考えてほしいのです。これは傲慢(ごうまん)な考えでしょうか。ご助言をお願いします。(静岡・U子)

 立松先生は、「今の世の中はそのようなものであふれているのです。30歳代の独身男がアダルトビデオに触れないでいるほうが不自然だと、今はそんな世の中です」と答えておいでですが、これがアダルトビデオじゃなくてエロゲーだったとしたら、果たしてそんな悠長なことを言ってられたものかどうかと、少し興味が沸きました。
 アダルトビデオなら、年配の女性であっても、見ずともある程度どのようなものか想像がつくだろうから、そのことについて相談を寄せることもできるだろうけれど、もしそれがエロゲーなら、それはほとんどの人にとって想像の及ばない不気味なアイテム(世界)に違いなく、だからそもそも相談しようがないのではないかと思うのです。
 相談しようにもそれはあまりに不可解で、「成熟した大人の結婚」に対してどういった影響があるのか、いっぷう変わった嗜好なのか、きちがいじみた性癖なのか、それとも精神的な病気に起因することなのか――。
 母親の感性と、理解があまりにも及ばない世界。しいては、自分が彼に対して何に困っているのか、どう心配しているのか、そのことについて深く考えること自体が怖い。だから、相談するために必要な言葉を持てないでいるのです。
 僕が部屋に散らかしておいた、エロゲーの特典でもらったテレカ類、下着姿やあられもないヒロインたちを描いたそれらを、母親は部屋を掃除した際、僕の机の上の見栄えのするところにまとめて飾っておいてくれました。そして、そのことについて何もいうことはありません。せいぜい「部屋をちゃんと片付けておきなよ」くらい。
 その延長線上で、世間一般の母親たちは、息子が持っているアレなタオルやアレな抱き枕を、ふつうに洗濯して、干して、整頓してくれているんだろうと思います。それが何のいわれをもつアイテムなのか、想像することを意識的に避けながら。
 異文化交流・異文化理解とは、あくまで受け付けられる・理解できそうな範囲内で行われる。その範囲外にある文化とは、お互いのためというより自分のために、己が精神の安定のために、差し障りがないよう棲み分けるしかない。"なかったこと"にするしかない。
 それがたとえ、母と子の間でのことであったとしても。