いま妹が産み、かつて僕が産まれた産科医院にて

080113.jpg
 妹が先日無事出産いたしまして。お見舞いがてら母親と赤ちゃんを見に産科医院まで行ってきました。
 実はそこは僕の産まれた病院でもありまして。今住んでいる街ではないんですけど、母親は「縁なのかねえ」としきりに感動しています。「アンタを産むときは大変だったんだから」とその苦労話を延々聞かされても…。骨折しちゃったんだからって、そりゃアンタのせいだろうが。
 それはともかく、かくも産婦人科医不足が叫ばれるご時勢、昔と変わらず新生児の出産を担ってくれていることに対し頭が下がる思いです。まあお世辞にも立派な医院とはいえないけれども。
 「こんな道車で通れるのかよ」というような狭い路地の奥にある、だいぶガタがきている施設、恐ろしく狭い二人部屋。やはりというかなんというか、歴史の長さと快適性とは往々にして反比例の関係にあるようです。
 至るところから赤ん坊の泣き声が沸き起こる、世にも恐ろしい不協和音の大合唱を想像していた(覚悟していた)のですが、実際はずいぶんひっそりとしていましたね。考えてみれば、赤ちゃんなんてほとんど眠っているんだし、そんなものだといえばそうなんですけど。
 それにしても、旦那や祖父というのならまだしも、妹の兄という関係で野郎が訪れるにはあまりにも居たたまれない空間です。そもそも「おっぱい」という単語が嫌らしくない意味で流通する領域にどう居たらいいのよという話です。
 まるでゼリーみたいにぷよぷよした赤ちゃんのほっぺに生命の神秘を抱きつつ、「壊れちゃいそうで怖い」という妹の言葉に頷きつつ、相部屋の女性が検温とかで看護師さんが入ってきたところで、僕らはそそくさと撤収。
 疲れたというわけではないんですが、妙に緊張しました。病院の空気そのものが本当にやわらかすぎて"覚束ない"とでもいえばいいでしょうか。
 というか今週中にも退院する妹が赤ちゃんを連れてウチ(実家)に来るんですよ。どうなることやら……。
 このブログも下手をすると数日中に、「引きこもり叔父さん子守り日記」とタイトルを変えているかも知れんなあw