お肉が大きめに切れる人間になりたい

 カレーの具を刻むということを例にあげると、じゃがいもやにんじんは大きめに切れるのに、お肉をどうしても大きめに切れない人間は、きっと器が小さいと思うんです。ああ、もちろん僕はそういう人間です。自慢にもなりませんが。
 作ってるときは「我ながら大きく切れたぞ!」と惚れぼれしていても、いざ出来上がってみると、全然小さかったりして。そもそもお肉というものは、調理中にちぎれたり、そもそも縮むものだから大きめに切らなきゃいけないのに。人間としての器の小ささゆえ、そうならざるをえないのでしょう。我ながら悲しくも情けない性です。
 今回、カレーを作るにあたり母親に材料を切ってもらったのですが、切ったお肉の大きいことおおきいこと。僕は目を見張りました、コトに際して「こんなにおっきいの……」と絶句するヒロインっぽく。そのくせ、じゃがいもは普通で、にんじんは小さめで、たまねぎはすごく細かくて。たまねぎはそれ小さすぎだろとツッコミを入れたくらいなのですが(たまねぎは事前に30分くらい炒めるので)。
 やはり母親は人間が大きい。スケールが違うぜドラゴンクエスト?。とある側面でいえば、僕は飲みたくなるたびに飲む分のお酒を買ってくるけれど、母親はお徳用の巨大サイズな焼酎をドーンと買ってあるというくらい、本質的に違います。
 まあ救われるのは、お肉が多少小さかろうがカレーが美味しくできれば致命的な欠陥とはならないということでしょうか。今回も美味しくできました。
 そう、結果よければ全てよし。器もそれ以外のモノも小さい僕は、せめてそうありたいものです。
 現状、途中経過は絶望的ですがね。