1個の桜餅と、4個の桜餅

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 先日ついに、ブラウザのスタートページをここのブログから、pixivのmypageに変更してしまいました。
 ブックマークした自分好みのイラストたちをひとつずつ、ひととおり、にんまり眺めきらないことには1日が始まらない、そんな今日この頃。ブログの更新も、上の画像にあるようにmypageに貼ってあるリンクを辿って済ましている始末で。もうねえ、どっぷりですよ。doppuri.
 既にお気に入りユーザー128人、ブックマーク306件。ログインしたらまずお気に入りユーザーの最新イラストをチェックして、続いてみんなの新着イラストへ――。要するにコミケのカタログチェックをしているような気分。あの顎が麻痺するような混沌とした甘い感覚と、奔放にわくわくする心地を、毎日味わっているといえば正確でしょうか。
 以前コミケで本を買ったことがある同人さんもけっこうpixivに参加しているみたいで、見つけたときの驚きは、街中で旧友にばったり再会したかのようで、無性にうれしいものですね。
 というわけで、ブログの更新はちゃんと続けようと思っているけれど、僕の心は限りなくpixivにあるのだということをご承知おきくださいw

 そういえば、世間ではGardenの話題で盛り上がってますね。悪い意味で。詳しいことはよくわからないのですが、なんでも、メインヒロインのひとりのルートが完成しないまま発売されたとのことで。
 ギャルゲーにおけるメインヒロインとは、改めて定義するほどのものでもないけれど、まず前提として彼女をテーマにしたルート(シナリオ)があり、しかもそのルートが作品にとって主要な部分(面白み)を占めているキャラクターのことです。しかるに、シナリオがないんじゃ、メインでも、ましてやヒロインですらありません。
 メインヒロインのシナリオがないという表現は、そもそも矛盾している。シナリオがあるから、ヒロインなのです。
 今回の件を例えるなら、5個入りの桜餅パックを買ったら、4個しか入っていなかったということ。
 興味深いのは、独り言以外の何かさんの記述や、寄せられたコメントに、少なからず擁護するようなことが書かれていることです。
 確かに桜餅自体はとても美味しいのかもしれません。僕も「さくらむすび」には感銘を受けたクチなのでいずれプレイしようと思ってましたよ。それにメーカーも「今後残りの1個を製作し配布する予定です」と書いています。でもそれらと、このパックに5個入っていないこととは話がまるっきり違いますよね。
 メインヒロインとして広告され、ジャンルがノベルゲームだというのなら、そのヒロインにシナリオはあるはずだというギャルゲーの暗黙的な了解事項に関わる不適切、虚偽表示、それはギャルゲーメーカーとしてまず絶対に許されないこと。今回の件はそれ以上でもそれ以下でもなくて、少なくとも僕らの側には、「ふざけるな」という他に付け足す文言も、ましてやフォローなど入りようはずがありません。
 それを、「桜餅が1個欠けているのは確かにけしからん。でもそれを非難したらこの店の桜餅がもう食べられなくなるかもしれないから、我慢することにするよ」というのは、どうなんでしょう。言ってしまえばそれは、誰のためにもならない自己中心的な物言いにしか傍には聞こえません。
 というか、5個目の桜餅を楽しみにしていた人たちの気持ち、正当な訴えを取り下げさせてしまうことにも繋がりかねないという意味で、その"ものわかりのよさ"はちょっぴりタチが悪い。
 業界がユーザーに甘え、ユーザーもまた業界を甘やかす。そうでもしなければ成り立たない、純度を保てない脆弱(繊細)で閉じた世界であるのは確かですし、本人たちがそれでいいというのなら、外野は口出すべきではないのかもしれませんけど。このメーカーのことを本当に応援・期待しているのであれば、

おい!!!
発売日にこの告知は詐欺だろ!!!
本当にこの会社は最悪だな!!!!

と、大きなフォントで批判しているぐりさんのような簡単さで済むことだと僕は思うんですよ。
 ここで擁護しようという難しい心理の働く人は、このメーカーを好んでいる自分を愛さずにはいられないからではないかという気がしてきます。
 信者とは自分自身を奉じている人たちのことを指すものか。まあ生贄にはコト欠かさず楽しみが多そうではありますけどね。