きゅぽっ

 縦長、横長、円形と、いくつも並んだ化粧用のコンパクト。(略)「使った後、ふたを閉めた時の音が心地よく聞こえるものと、そうでないものとがあります」
 女性になじみの深い、「パチン」という小さな音。その音を研究し、心地よい音(快音)にしようと、(略)成人女性に(略)評価してもらった。(略)
 「低めで、きしみのない、そんな音が好まれることが分かった。閉めた時の音の漏れ方影響しているようです」。(略)
 開閉口のフックの形状も調べ、より心地よい音を"演出"できるコンパクトが生まれた。今は大半の商品に反映されている。(略)
 「コンパクトを閉める時のしぐさと心地よい音。その瞬間『きれいになれた』という気分と、満足感を高めてもらいたい」(略)
 何気なく耳にする音を、より心地よいものにする「快音」作りは、他の分野でも注目されている。(2/29付読売新聞)

 僕は仕事で、書類に押印するためにいろんな上司から印鑑を借りるんですが。でもよく考えるとそれってどうなんでしょうね……。ま、まあそれはいいとして(いいのか?)。
 そのうちのひとりの方の印鑑がですね、すごいんですよ。
 何がすごいって、蓋を外すときの音が、マンガとかによくある「きゅぽっ」という音そのものなんです。
 「三者三葉」3巻より
 「んむっ」とか「じゅるじゅる」とか「びくびくっ」とか「ずぶっずぶっ」とか、擬音というものはあくまで表現の一種であり、しょせん誇張、フィクションに過ぎないと思っていたものですから、まさか実在する音があるなんて、驚愕的事実です。
 あまりにも感動してしまったので、その上司に問いただしてみたところw、その印鑑に本来付けるべき蓋が失くなってしまって、仕方なく古い印鑑の蓋を流用してみたら、こういう音が出るようになったとのことでした。
 これは偶然なんかじゃない、奇跡だ。ハンコウの奇跡だ。
 この記事でいう「他の分野でも注目」のひとつとして、ぜひこの"きゅぽっ"を万年筆やペンで実用化して欲しいです。
 「今巷で話題騒然!"きゅぽっ"という音が本当にするペン」
 みたいなキャッチコピーで売り出せば、絶対人気になると思うんですけど。少なくとも僕は買うね。
 って、ネタ至上主義のこのご時勢、既に商品化されてるかもしれんなあ。