イージス艦艦長と給仕

 海上自衛隊イージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故と、それへの対応のまずさに端を発する石破防衛相の辞任問題は、親族の方が政界要人にしたためた手紙で一気に沈静化したおもむきがあります。
 結局は事故、ということでしょうか。
 ここぞどばかりにイージス艦乗組員や関係諸官庁のていたらくを非難するマスメディアと、それに煽られた国民による騒然とした雰囲気にあって、唯一理性的でいられたのが遺族の方だけというのは、なんとも皮肉な話ですね。もちろん、批判されるべきことを防衛省はしでかしたんですが。

 15年にわたり自衛隊を取材し、護衛艦への乗船取材の経験もあるジャーナリストの杉山隆雄は、イージス艦の艦長を、
 「殿上人」
 と表現する。普通の護衛艦の艦長は2佐だが、イージス艦の艦長は1佐。約300人の乗員を率い、有事には戦闘指揮官になる。
 「船内では、寝室や食堂など生活空間は仕官と下士官で別々。艦長は専用の個室で、下士官は高さ60センチの3段ベッド。赤絨毯の上で暮らしている艦長の顔をめったに見ない下士官も多いんじゃないでしょうか」
 杉山氏によれば、食堂の机には白いテーブルクロスが敷かれ、食器も専用の陶器が使われる。コーヒーを注いだり食事を運んだりする給仕がつき、艦長が箸を取らなければ食事は始まらない」(週刊朝日3月7日特大号)

 僕はむしろ、ここが、重要だと思うんですよ。
 イージス艦艦長には、「コーヒーを注いだり食事を運んだりする給仕」がつくというところ。
 給仕を英訳すると、ウェイトレス。ウェイトレスといえば、コスチューム。
 ちょっとちょっと!イージス艦艦長には専属のウェイトレスがついてしかもコスチュームまで選べるってゆーの!?
 ウェイトレスとか、メイドが人間(男)をダメにするというのは数多のギャルゲー主人公の人体実験によって既に立証されていて、そういえばあたごの艦長も、漁船が多く行き交う航行の難所として有名な海域なのに個室で寝ていたっていうし(元護衛艦艦長とやらが「ありえない」と指摘していた)、図らずもこの艦長はギャルゲー主人公と同じ轍を踏むことになったのですね。
 ここまできたらもう、開き直ってイージス艦恋愛ADVを製作するっきゃありません。

 ひょんなことからイージス艦艦長に就任した主人公。彼は新造イージス艦「なまこ」の処女航海に出発することになります。幼馴染でツンデレな給仕、友情に厚い航海長や頑固一徹の機関長、飛び級を重ね若干10歳のオペレーター……なぜか女の子だらけのイージス艦、主人公にとってはじめての航海が、ついに抜錨です。

 もちろんヒロインは全員処女。だって処女航海だものwww
 ――ごめん、僕は馬鹿です。フキンシンで申し訳ありません。本当にすまん。
 給仕といわれると、やはり馬車道みたいなコスチュームですかねえ。