春の日差しとふたりのまどろみ

 すっかり春の陽気な昼下がり。妹夫婦宅にやってきています。
 庭いじりをしている母と妹に代わり、ずっしりと重くなった赤ちゃんを抱き上げながら、「ガンダム00」の録画を眺めている。安らかでふくよかなその寝息が、メリーの鳴らすオルゴォルの音色と、ラルクアンシエルの歌うエステチクスな主題歌に溶け込んでゆく。はたして内容は全然わかりません。ソルトレイクシティがどうしたって?
 一人称の穏やかさというのは、こういう、はた目にちょっと"ちぐはぐ"な光景の主体が眼差しに宿っているものなのかもしれませんねえ。
 描写ではなくて、感覚。視線の先の世界がふんわりと緩んでゆくような――。
 ああ、僕も、眠いんだな。