合成写真とパンツ天国

いじめ把握6倍12万件…昨年度、文科省調査

 具体的には、「女子生徒がインターネット掲示板に合成写真を掲載された」「同級生を無視するよう書いたメールが次々と転送される」などのケースが、文科省に報告されている。

 デジカメ付き携帯電話が普及したこのご時勢、学校では実際どんな風に使われているんでしょうね、もちろん悪い意味で。
 携帯は撮影すると音が鳴ってしまうから近くでは被写体に気づかれてしまうけれど、望遠機能を使えば本人に気づかれず写真を撮ることは可能だろうし。それでクラスの女の子を撮影して、ネットに転がっているペド画像に顔だけ付け替えるというようなことは、きっと造作もないことなんでしょう。
 もし僕が今日現役の高校生だったら、かなり高い確率で取り組んでいただろうなあ。合成するかどうかはともかく、下手をすると学年女子全員を撮影して、かわいい順とか、スタイルがいい順など各種の順位をつけてコレクションしていたかもしれない。何しろむっつりだから。
 えっちなことに年相応に興味津々で、でもあまりモテなくて、パソコンやネットに多少精通していればこんなこと、簡単に思いついてしまうだろうし、同じ性向の仲間内で盛り上がって、「じゃあこれ見てくれよ」的に"合成写真"が掲示板にアップロードされたとしても、少しも不思議ではないでしょう。
 被害を受けた女の子にとっては苦痛以外の何者でもなく、罰せられてしかるべき行為に違いないのだけれど、彼らにしてみれば、エロ本に"気の利いたいたずら書き"をしているようなものなんでしょうね。
 ネット上での言動に人権意識・見えない相手の痛みを予測するチャンネルを保持するのは、大の大人ですら難しい。学校で毎日会っている(見えている)相手であっても、ネットにログインすればそういった生身の経験を忘れてしまうものなのか、それとも誰にも"会っていない"し"見えてもいない"ということなんでしょうか。それはそれで怖い。
 僕が現役だった頃は、フィルム式のカメラは確かに安いものがあったけど、それを学校に持ち込もうだなんて思いつきもしなかったな。写真といえば、キャンプや運動会、修学旅行といった行事で、担当の先生が撮影した写真の販売があって、その機会に、好きな女の子の映った写真の番号を注文用紙に紛れ込ませたりするくらいでした。
 我ながら純情だよなあ(むっつりと純情は矛盾しない。むしろ高めあう)。今ではポケットから携帯を取り出してすぐ撮れるんだもの。図書室の貸し出しカードにしろ、親御さんが出るかもしれない電話にしろ、技術の進歩というものは、青春から貴重な純情の機会を奪い去って、代わりに最寄のえげつなさを誘ってゆくような気がしますね。
 今では驚くほど小型軽量のカメラがあるし、その内容が多少いかがわしくても、デジタルデータだから第三者を介さず大いに所有することができる。現像時にフィルム店で恥かしい思いをしなくても済むというのは、計画遂行上非常にありがたいことでしょう。
 想像すればするほど、学校の女の子たちはずいぶん窮屈で不安な日々を送っていることになってしまうけれど、現実はきっとそんなことないんでしょうね。昔より今の女の子たちのほうが、文字通りさまざまの意味で見られる・意識されるということにずいぶん慣れているようですから。
 ああいう可能性も込みで、彼女たちはあんがい楽しく女の子をしているように僕には見えます。あるいはそうでもないのかもしれません。しょせん他人でしかも異性のことなんて、この僕にわかりようはずがありません。
 それよりも、です。あんな短いスカートを女の子たちはひらひらさせていて、世の男の子たちはきっと、パンチラ画像なんてもう見飽きているのに違いありません。ちくしょう、なんてうらやましい。その結果男の子たちは、女の子のぱんつを見た程度では性的興味を充足させることができなくなってしまって、その先に、女子高生の3人に1人が使用済み、もとい経験済みという結果があるのではないでしょうか。
 おお、なんて嘆かわしい。由々しき事態だ。
 そう、僕がいまだに運命の美幼女とめぐり会っていないのも、遺伝的に運命の禿げは着々進行中なのも、現代が「パンツ天国」に堕してしまったことが原因に違いありません。なにが天国だ、まったく。「BLUE DRAGON」の今日の話はいつにもまして酷かったよ…。